抄録 |
【目的】食生活の欧米化やH.ρylori感染率低下に伴い今後パレット食道癌患者が増加することが危惧されている.しかし本邦においては未だ症例は少ないため.tその臨床病理学的特徴は明らかでなく内視鏡治療の適応も定まっていない.今回我々はパレット表在癌の臨床病理学的特徴につき検討を行い免疫染色による粘液形質学的考察を加えた.【方法】当院及び関連施設でESDもしくは手術療法を雄行し病理組織学的にパレット表在癌の確定診断が得られた34症例35病変を対象としたt【結果】平均年齢は67.7 ec男女比は27:7Hpylori感染.は82%で陰性であったSt背景粘膜は88%がSSBE由来であった.背景の特殊円柱上皮に関しては二部に全く接していない症例が57%背景粘膜にも全く認めない症例が34%であうた.腫瘍径の帳値は17㎜であった.肉鯉.は隆起型(O-10-lla)が71%撮多で次いで1陥凹型(0-Hcン20%平坦型(0-Hb)9日目あった.組織網は全例で分化型腺癌であったが3例で低分化な成分の混在を認めた.深達度はM癌20病変SM癌15病変であり脈管侵襲を13例(DMM:1/8例SM1:1/2例t SM2:4/6例SM3:7/7例)に認めた.ESD後追加治療も含め18例で手術療法が施行され3例でリンパ節転移を認めた.粘液形質は二型57%(完全胃型26%混合型胃優位31%).二型43%(完全腸型20%混合型腸優位23%)であった.リンパ節転移陽性3例はすべて胃型癌でありまた低分化成分混在3例もすべて二型癌であった(リンパ節転移3例1中2例が低分化成分混在).DMMで脈管侵襲をきたした症例はリンパ節転移陽性であり低分化成分混在の完全山型癌であった.【結論】パレット表在癌において胃型形質を有する癌は低分化成分が混在しやすくまたリンパ節転移を来しやすい可能性が示唆された.内視鏡治療の適応.に関しては今回の検討からはM癌がおおむね適応と思われるがDMMでもリンパ節転移を来した症例も存在することから、切除標本に対する粘液形質を含めた詳細な病理組織学的検討が望ましい. |