セッション情報 シンポジウム1

我が国におけるBarrett食道癌の現況疫学と治療

タイトル

S1-8 表在型パレット食道癌の病態と内視鏡治療経過―表在型扁平上皮癌との比較―

演者 小池智幸(東北大学消化器内科)
共同演者 中川健一郎(東北大学消化器内科), 飯島克則(東北大学消化器内科)
抄録 【目的】(1)表在型パレット食道癌の病態を表在型扁平上皮癌と比較検討すること.(2)表在型パレット食道癌の内視鏡治療後の経過を表在型食道扁平上皮癌の内視鏡治療後の経過と比較検討すること。【方法】(ユ)表在型パレット食道癌27例(全例男性 平均年齢644歳)と表在型扁平上皮癌100例(男二女=9:1)のHP感染胃酸分泌能(EGT)を比較検討した.(2)内視鏡治療を施行し6か月以上経過観察し得た表在型パレット食道癌(SM1まで)22例(平均年齢61.6歳 全例男性))の治療後経過を表在型食道扁平上皮癌(SM1まで)181例と比較検討した.【成績】(1)鯉感染率は扁平上皮癌の79.0%に比較しパレット食道癌で42.9%と有意に二値を示した胃酸分泌能(EGT値(田Eq/10曲))は扁平上皮癌(1.18)に比較しパレット食道癌(4。13)で有意に高値を示した.(2)扁平上皮癌では観察期間 平均42.5か月最長120か月の期忌中に異所再発を18例(9.9%)に認め/一再発までの平均観察期間は28.7か月であった.このうち原病死は1例(0.006%)他病死は31例(17.1%)であった.一方腺癌では観察期間 平均S6.7か月1最長124か月の期間中に異所再発原病死を認めず他病死2例(9LO%)という結果であった.1結謝表在型パレット食道癌では表在型扁平上皮癌に比較しHP感染率が低率で胃酸分泌能が高値を示したことからわが国においても将来のHP感染率の低下とともに食道扁平上皮癌が減少しパレット食道癌が増加する可能税が示唆された.また表在型パレット食道癌の内視鏡治療後の経過は表在型食道扁平上皮癌の治療後経過と比較して異所再発および他病死が少なく良好な治療成績を示した.
索引用語