セッション情報 シンポジウム2

消化管stem cellの新たな展開 基調講演

タイトル

S2-3 ヒト腸管上皮幹細胞の同定と培養法の確立

演者
共同演者
抄録 【目的】近年マウスにおいて腸管上皮幹細胞が同定されるとともに培養技術が確立され.腸管上皮幹細胞の理解は飛躍的に深まってきた。マウス小腸腸管上皮幹細胞はEGF. NogginR-spondinlとともにマトリジェル中で三次元培養することで幹細胞の自己複製と多分化能を長期間にわたって示した.しかしながら.ヒト腸管上皮細胞培養はマウスの培養条件では培養困難であった.【方法】インフォームドコンセントの得られた患者からの小腸および大腸内視鏡生検検体(大腸癌大腸腺腫正常粘膜)より腸管上皮細胞をEDTAにより分離しマウスの培養条件を基に様々な増殖因子内分泌因子化学物質のスクリーニングを行った.【結果】腸管上皮細胞はWnt3ANicotin:皿ideALK4/5/7 inhibitorp38 inhibitorの存在下で半永続的に増殖しWnt3ANicotinarnidep38 inhibitorの除去により吸収上皮細胞杯細胞内分泌細胞Paneth細胞(小腸由来検体の場合のみ)への分化が観察できた.またEphB2強陽性細胞のソーティングにより単一のヒト腸管上皮幹細胞からのクローナルな培養にも成功した.【結論】我々は世界で初めてヒト腸管上皮幹細胞培養に成功した.本培養技術は消化器病研究再生医療薬剤感受性試験など様々な用途に応用可能な画期的な技術である.
索引用語