セッション情報 シンポジウム2

消化管stem cellの新たな展開 基調講演

タイトル

S2-4 消化器癌における癌幹細胞研究の現状と今後の展開

演者
共同演者
抄録 癌幹細胞は自己複製と多分化能を有する細胞であり高い腫瘍形成能抗癌剤抵抗性.放射線抵抗性を有し癌の治療抵抗性と再発に直結することから.癌幹細胞の標的化ことが癌の根治に直結すると期待されている今回は1.肝臓癌幹細胞の維持機構とその標的化2.大腸癌におけるダイナミック癌幹細胞モデルについて報告する.1.肝臓癌において新規多機能性癌幹細胞マーカーであるCD13を同「定した、CDI13は血管新生や癌の浸潤に深く関わっているがその機能の一つとして活性酸素種(ROS)の排泄機構を見出した. ROSの排泄機構は幹細胞の維持に重要な役割を果たしているだけでなく抗癌剤放射線抵抗性にも深く関与している.中和抗体や阻害剤によりCDI3を阻害すると高度な癌のアポトーシスが誘導されるのみならず抗癌剤や放射線感受性が改善し.更にはt引込細胞の自己複製能が阻害されることが示された.CD13の阻害に加えてROSを上昇させる抗癌剤を併用することにより静止期に存在するCD13陽性癌幹細胞を含めた包括的な癌細胞の標的化が可能になると期待された.2.近年メラノーマにおいてヒストンの脱メチル化遺伝子であるJARIDIBの発現が判断幹細胞に幹細胞性を付与するというダイナミック幹細胞仮説が報告されて以来癌幹細胞の論えられ方が変化してきている.大腸癌においてJARIDIBの発現とその機能解析を行った結果JARIDIBは大腸癌においては癌の増殖と密に関連していることが示された.一方上皮細胞間葉型細胞移行(EMT)のシグナルが尤貸し細胞周期が抑えられている状態ではALDH活牲が高くtこれらが低酸素状態により誘導される.ことが示された.現在このような癌組織内で起こるリプログラミングがどのような因子により誘導され、.どのような上流因子が鍵となっているのかを検索している.本報告では癌幹細胞研究の展望と戦略についてわれわれのデータと最新の知見を交えながら報告する.
索引用語