セッション情報 シンポジウム2

消化管stem cellの新たな展開 基調講演

タイトル

S2-6 消化管上皮におけるpSmad2/3L-Thr陽性細胞の検討

演者 高橋悠(関西医科大学内科学第三講座)
共同演者 福井寿朗(関西医科大学内科学第三講座), 岡崎和一(関西医科大学内科学第三講座)
抄録 (背景)幹細胞は多分化能を有す未分化な細胞と定義され通常状態では分裂は抑制され紬胞周期上のGO期にあり免疫組織学的にKi67陰性と考えられている.細胞周期ばセリン/スレ懸守ンキナーゼであるCDK:cyclinCDK inhibitorのバランスにより制御されている.Smad2/3蛋白はTGF一β受容体でC野鴨のSer残基がリン酸化されERKJNKCDK4などRas関連キナーゼにて避nker部がリン酸化される.抗pSmad2f3L-Thr抗体にて認識されるリン酸化Smad2/3蛋白のリン酸化部位Thr220/Thr179はCDK4にてリン酸化される部位と一致することが分かっている。リン酸化Srnad2/3蛋白はSmad4と共に核に入り権帥封蝋子の転写を制御する.(1目的):Ki67陰性かつpSmad2/3L-Thr強陽性の細胞を同定し消化管上皮のpSmad2/3L-Thr陽性細胞の意義を検討する.(方法)マウス食道胃小腸大腸を用いてpSnrad2/3L-Thr陽性細胞を蛍光免疫染色にて同定し各上皮細胞マーカーやこれまで提唱された幹細胞マーカー等と二重染色を行う.消化管炎症モデルマウス(Helicobacter胃炎NSAID小腸炎DSS腸炎)を作成しpSmad2/3L-Thr発現を正常粘膜と比較し上皮再生マーカーとしての可能性を確認する.(結果)pSmadl/3L-Thr陽性細胞は常にKi67陰性であり.食道では基底層に存在しp63CDK4ともに陽性であった.胃では胃底腺幽門腺とも峡部に存在しcytokera血8陽性DCAMK:Ll陽性細胞はごく近傍に存在していた.小腸ではバネート細胞の直上部と一部バネート細胞間に大腸では腺底部に認められた.小腸大腸ともCDK4陽性Chromogranin A陰性でありDCAMKLI陽性細胞の近傍に存在し小腸ではMusashi 1陽性であった. HE標本にて各臓器とも幹細胞の存在が提唱されている部位に確認できた.消化管炎症モデルマウスでは粘膜の過形成Ki67陽性細胞の増加がみられこの部位ではpSmad2/3L-Thr陽性細胞も有意.に増加していた.(結語)pSmad2/3L-Thr陽性細胞は幹細胞である可能性が示唆され粘膜再生において重要な意義を有すると考えられた.
索引用語