抄録 |
【目的】ビタミンD(VD>は強力な免疫調整因子でありC型慢性肝炎に対するリバビリン(RIB>併用ペグインターフェロン(PEG一][FN)治療にCholecalciferolを併用するとSVR率が向上することが報告された.同.研究で用いられたのは非活性型VD3のサプリメントで我が国で保険適応のある活性型製剤(1-OH)ではないそこで埼玉県下の医療施設の共同で活性型と非活性型の抗ウイルス効果を比較する無作為化試験をIRBの認可の基に実施した.【方法】1b型高ウイルス量で未治療のC型慢性肝炎患者を対象とした.A群(サプリメント:Cholecalciferol 2000 IU/日)またはB群(Aifacarci dol O.5μg/日の2群に無作為に割り付けて4週間前投与しその後は同製剤を継続しながらPEG-IFNα一2a 180μgとRIB 600~800 mgの併用治療を行った.【結果133例(A:B=16:17)が登録されPeg-IFN/RIB療法開始12週後のHCV-RNA量が判明しているのは17例(9:8)である.両側間に患者背景ウイルス要因に関する差異は見られなかった.VD製剤前投与終了時250H一一VD濃度はA群でのみ上昇していた(p<0。Ol). H28B遣伝子のSNP(rs8099917)がmalor岨eleの13症例(7:6)に限定すると併用治療開始4週後のHCV-RNA量低下率はB群に比してA群が高度であった(p<0.05).RVRはA群の2例でc-EVRはA群7例全例でB群6例中4例で認められた.【結語】VDはIL28遺伝子のSNPがmajor a皿eleの症例におけるRB/PEG-IFN治療の効果を増強するがその作用は体内で非活性型VD3の25位が水酸化された250H-VDがより高度に発揮する可能性がある. |