セッション情報 シンポジウム3

C型慢性肝炎の新たな治療展開

タイトル

S3-3 IL-6を介したC型慢性肝炎のインターフェロン治療抵抗性機構

演者
共同演者
抄録 【目的】C型慢性肝炎(CHC)に対してプロテアーゼ阻害剤であるテラプレビルとペグインターフェロン(PEG-IFN)・リバビリン(RBV)の3剤併用療法が認可され約7割の症例で治癒が期待されるがPEG-IFN・IRBV前治療無効例に代表されるIFN不応型の宿主・ウイルス遺伝子を有する痙例は3剤併用にても以前難治であることからIFN抵抗性の分子機構について解析を行った.{方法】当院および研究協力施設で2011年9月目でにPEG-IFN/RBV併用療法を導入し最終効果判定および遺伝子解析可能であったCHC症例605例を対象とした.患者検体より血清およびPBMCを採取して治療効果別のIL謁およびILa8B発現を比較検討した.【結果】治療前血清IL-6は慢性肝疾患では高値でとくにC型慢性肝炎では有意に高かった(健常者/CHC中央値;O.75/30pg/mL p<〔).OOOI).男性においては非著効例で治療前血清IL-6は有意に高く治療経過を通じて有意に高値のまま推移したHCV培養細胞系を用いた検討ではIFN抵抗株で小胞体(ER)ストレス蛋白の有意な増加を認めIL-6およびその下流分子であるSOCS3の発現増強IFN誘導遺伝子(ISG)の発現低下を認めた.またPoly IC前処置後のIFN刺激によるPBMCのIL28B発現を比較検討したところ馬弓抵抗痙例であるH28Bマイナーアリル患者群でIL28B発現は有意に低’fした(p<0.05).1考察】治療抵抗性ウイルスによりもた.らされるERストレスや!Lf上昇がIFNシグナル伝達系の抑制を介して治療効果の低下につながるものと考えられる.またIL28Bマイナーアリル症例ではIFN治療時にIL28B発現が十分得られずこれらが治療抵抗性に関与している可能性が示唆された.ウイルスと宿主の密嬢な相互作用がIFNシグナル伝達系を負に制御し治療抵抗機序をもたらしているものと推測される
索引用語