抄録 |
【目的】PEG」IFN(P)+RBV(R)療法の治療効果をウイルス変異と宿主ゲノムから総括し発痛リスクを考慮した新規治療法(PI).の可能性を検討した.【方法】(1)2003年12月から当科および関連施設で組織するY-PERSに登録されたP斗R1038例54.9±10」4歳(17~80歳)M/F=585/4481b/2a/2b/その他=672/194/140/32を対象としHCVウイルス変異(ISDR[RRDRコァアミノ酸PI耐性変異)と宿主のIL28BITPA SNPsと治療成績の関係を検討した.(2)1990年以降のIFN治療例のうち長期経過観察しえた715例を対象とし発癌リスクを検討した.【結果】1)1b∠2a/2b型標準治療期間のSVR率は50%(156/311)/86%(76/83)/82%(50/61)であった.2)1b型(≦52W)ではIL28B T/TISDR変異数≧1IRRDR≧4<60歳(Odds比1444.95.12.9)がSVR規定因子であった(p<O.OO5).一方P+R+PIの新規治療法でも難治が予測されるP+R療法NVR規定因子はILZ8 TG+GGIRRDR≦2AFP≧4.8(Odds比13.96.319.3〕であった.3)P+R+TalapreVir(T)6例は治療前にT耐性変異(V36AT54A)があったが全例SVRでIRRDR≧4であった.4)IFNコホートのうち発癌例は9.8%(70/715観察期間89年)で20年累積発癌率はSVR例7.9%非SVR例262%(p<O.OO1)であった.発癌リスクをSVR例に限り検討するとIFN開始時≧60歳男性.F≧3(HRIOO10.62.5)であった.またFibroscan 12.3KPa以上では有意に発癌リスクが高かった(p<α001).【結論】P+R療法は2a+2b型1b型ではIL228B TT<60歳ISDR・IRRDR変異例でSVRが期待できる.一方高齢・男性・肝線維化進展例では発癌リスクが高いためIL28BとIRRDRの検討により新規治療法の効果予測を行うことが重要でSVRが期待できない症例では発癌リスクを考慮した治療法の検討と介入が必要と考えられた. |