セッション情報 シンポジウム3

C型慢性肝炎の新たな治療展開

タイトル

S3-9 IL28B遺伝子多型からみた3剤併用療法に対する難治性要因の検討

演者 今村道雄(広島大学消化器・代謝内科学)
共同演者 高橋祥一(広島大学消化器・代謝内科学), 茶山一彰(広島大学消化器・代謝内科学)
抄録 【目的】1b堅甲ウイルス量のC型慢性肝炎においてt IL28B遣伝子がTG/GGの症例で前治療無効例はtelaprevirを用いた3剤併用療法の治療効果が低いことが報告されている、今回IL98B遺伝子TG/GGの症例においてどのような因子がPEG-IFN/RBV療法において無効であったかを検討した.【方法】対象は当科および関連施設においてPEG-IFN/RBV療法を施行した1b山高ウイルス量のC型慢性肝炎患者のうち48週の標準治療を行った724例.IL28B(rs8099917)多型別の治療効果を検討し特にTG/GG症例において有効(VR)であった症例および無効(NVR)であった症例を比較検討した.またHCV感染動物モデルを用いてDAA多剤併用療法の効果を検討した.【成績】PeglFN/RBV療法におけるNVR率はIL28B TT(545例).で11%tTGIGG(179例)で57%であった(p=02xie”se). n28B TG/GGの症例において60歳未満ではNVR率は39%であったが60年代では57%70歳以上では71%であった.NVR率はウイルス量が多いほど増加し7 log以上では88%と高値であり7.21qg以上では12例全例がNVRであった.またCore70変異型は聾生型に比べ有意にNVR率が高く(71%vs 39%p=α001)ISDR変異数0-1は2以上に比べNVR率は高値であった(61%vs 36%p=0.11)、 IL28B TG/GGの症例においてNVRに対する多変量:解析では年齢(OR 10.4p=O.046)ウイルス量(OR 25.8p = O.008)tCore70変異(OR Z2.3pニ0」007)が有意な因子として抽出された. HCV感染ヒト肝細胞キメラマウスに種々のDAA製剤を投与したところいずれの薬剤も単独では耐性株出現によるbreakthroughが生じるものの併用投与では耐性株の出現は抑制され著明な抗ウイルス効果が認め.られた.【結論11L28B TG/GGの症例で高齢ウイルス量:高値C(rre70変異型の症例はtelapreVirを用いた3剤併用療法の治療効果が低いことが予想されこれらの症例に対しては投与期間の延長やAdd onなど何らかの対策あるいはDAA多剤併用療法が必要であると思われた。
索引用語