抄録 |
第1世代Protease阻害剤であるTelaprevirが保険認可されPeg・一IFN/RBVとの併用によりGenotype1型C型肝炎初回投与例の約7割で著効が得られることが想定されるが貧血や皮疹などの副作用が増強される可能性があり治療への忍容性が低い症例の適応が難しい.今回.第2世代Protease阻害剤であるTMC435とPeg・一IFNα2a/RBV併用のGenotype1型初回投与例を対象とした治療効果ならびに副作用について報告する.治療方法はtTMC(50mgまたはIOOmg〆日)/Peg-IFN/RBV3剤併用12週投与後Peg-IFN/RBV12週投与群(TMC12:50m多PR24またはTMC工2:100mg/’PR2・1)もしくは3剤併用24週投与群(TMC24:50mg/PR24またはTMC24:100mg/PR24)であり.Peg-IFN/RBV2剤併用48週投与群(PR48)を対照としたこの結果治療開始4週およ.び12週時点のHCV-RNA陰性化率(〈1.210glU/m I):は. TMC50mg群(TMC12:50mg/PR24+TMC24:5QrrigY’PR24)で83%(33/40)98%(39/40)、 TMClOOmg群(TMC12;100mg/PR24+TMC24:100mg/PR24)で90%(35/39)92%(36/39)と高率であり治療後再燃率は順に16%(6/38)13%(5/39)と.PR48群の36%(4/11)に比し低率であった著効率はtTMCI2:50mげPR24群78%(21/27>、 TMC工2:100mg/PR24群77%(20/26)TMC24:50mg/PR24群77%(10〆13)TMC24:100mg〆PR24群92%(12/13)でありTMC投与群全体での著効率は80%(63/79)とPR48群の46%(6/13)に比し著明な治療効果の改善を認めた.副作用中止率はTMC投与群全体で10%(8/79)PR48群で15%(2/13)でありHb減少や皮疹の出現頻度も両群で差がなくいずれもGradelまたは2であった.以上TMC/Peg-IFNIRBV併用療法は安全性においてPeg-IFN/RBV併用療法と同等でありTelaprevir/Peg-IFN/RBV併用療法より治療効果に優れることが想定されるが一般臨床での使用には時間を要するこうした現況において早期ウイルス排除の必要性に応じた個別化治療を考える必要がある.本シンポジウムでは肝発癌リスクを考慮に入れた治療方針について発表したい. |