セッション情報 |
シンポジウム4
肝細胞癌集学的治療の現況と再発予防
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タイトル |
S4-2 肝細胞癌の多中心性再発リスクに基づく治療法選択の可能性
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演者 |
宇都宮徹(徳島大学外科学) |
共同演者 |
齋藤裕(徳島大学外科学), 島田光生(徳島大学外科学) |
抄録 |
【目的】肝癌に対する肝切除後10年生存率はstage Iでも38%と不良だがその最大の原因は多中心性(MC)再発にある.今回肝発癌母地である非癌部組織に着目した研究によりMC再発リスクの予測が遺伝子レベルのみならずmiRNA(miR)レ.ベルでも可能という知見を得たのでMC再発リスクに応じた新たな治療戦略を提案する.【方法11STMNI発現:亭亭部肝組織のDNAマイク1コアレイ解析にてMC再発リスクを予測したSTMN1遺伝子に着目し独立コホートにてMC再発との関連を検証した. STMN1を抑制するmiR-223発現とMC再発との関連を検討した.2.τn旺~発現プロファイル:20例の非癌部立組織のmiRマイクロアレイ解析を行い、MC群とnorMC群でMC再発リスクを予測した.【結果】1STMN1CYPlA2などMC再発関連遺伝子を用いてMC再発リスクの予測が可能であった(Ann Surg Oncol eOOS).独立コホートにおいてSTMN l高発現は有意なMC再発独立危険因子であった. miR-223低発現群は有意にMC再発が高頻度であった.2.miRマイクロアレイ解析で抽出した20個のMC再発関連miRを用いてMC群とnon-MC群のクラスター化がほぼ可能であった(正繁藤:85%)低発現する関連1皿にはK-ras発現を抑制するlet-7miR-18a*やがん幹細胞マーカー(BCRPI)を抑制するmiR-328が含まれていたMC再発ハイリスク群にクラスター化されたnon-MC例の1例が経過観察中にMC再発しmiR発現解析によるリスク予測の可能性が示された更にmiR発現とSTMN1発現を組み合わせることで正診率は95%まで改善した.【まとめ】肝発癌母地である非癌部組織のSTMNlとmiR発現パターンの解析によりMC再発リスクを予測でき画者を組み合わせることでさらに予測精度向上が期待できる.これらの知見はMC再発の観点より低リスク例への局所治療や高リスク例への肝移植を含む集学的治療を行う場合の治療法選択の指標として期待される. |
索引用語 |
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