セッション情報 シンポジウム4

肝細胞癌集学的治療の現況と再発予防

タイトル

S4-4 高度進行肝細胞癌に対するインターフェロンα併用5-FU肝動注化学療法を基軸とした集学的治療の効果

演者 和田浩志(大阪大学消化器外科学)
共同演者 永野浩昭(大阪大学消化器外科学), 森正樹(大阪大学消化器外科学)
抄録 【目的】門脈本幹一一次分枝に腫瘍栓(Vp3-4)を伴った高度進行肝細胞癌(HCC)は既存の治療に抵抗性を示し極めて予後不良である.教室ではVp3-4HCCに対して.インターフェロンα(IFN)併用5-FU肝動注化学療法(FAIT:Fluorouracil Arterial infusion&lnterferon Therapy)を基軸とした集薄藍治療を行なってきたのでその治療成績について報告する【対象・方法1教室にてFAIT治療を行ったVp3-4 HCCI62例のうち1)Vp3-4切除不能全町多発症例1(工型)102例に対してFAITの反復治療2)肉眼的治癒切除が可能と判断したVp3-4片葉阪局腫癌(ll型)の30例には根治肝切除を行い術後F.4UT as助療法を3クール施行.3)Vp3-4片葉の巨大腫瘍と対側葉の多発腫瘍症例(HI型)30例には、減量肝切除後に残肝病変に対してFAITを反復施行した・[結果】1型の治療成績はt奏効率392%(CR 10例. PR 29例)、全症例の1!3年生存率は37%〆11%. CR/PR症例の1年/3年生存率は83%/29%とNC/PD症の4.8%/0%より有意に良好(p〈O.Ol). H型では根治肝切除後の1年3年無再発率がそれぞれ70%、39.7%1年3年生存率はLOO%65.9%であった. FAIT非施行群(20例ffsnical Con-trol)の1年3年無再発率がそれぞれ18.8%12.5%L 3年生存率が343%17.1%と比較して有意に良好であった.FAIT施行群30例のうち.19例に再発を認めたがその再発形式は残肝のみ:6例残肝+遠隔転移再発:9例、遠隔転移再発のみ=4例と遠隔転移再発を高率に認めた.III型(30例)の減量肝切除後遺残腫瘍に対するFAITの奏効率は33%(CR 6例PR 4例).全症例の1!3年生存率は40%/21%.CR!PR症例の1年/3年生存率は100%/58%とNC/PD症例(10%/0%)に比較して有意に良好.1結語lVp3-4高度進行肝癌に対するFAITを基軸とした集学的治療は有効な治療法である.更なる予後向上には治療効果予測と遠隔転移再発を制御する分子標的治療薬などの併用が重要な課題である.
索引用語