セッション情報 シンポジウム4

肝細胞癌集学的治療の現況と再発予防

タイトル

S4-8 バイオマーカーと画像検査の経時的評価による進行肝癌治療戦略

演者 土谷薫(武蔵野赤十字病院消化器科)
共同演者 板倉潤(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉並木(武蔵野赤十字病院消化器科)
抄録 【背景】切除や局所療法が不能な進行肝癌に対して本邦では分子標的薬や肝動注療法が選択され適切な時期での導入・継続・変更が生存に寄与する分子標的薬導入例におけるバイオマーカL一一と画像検査所見の経時的評価による治療戦略について考察した.【方法12009年7月から2011年9月までに当院でSorafenibを導入した進行肝癌85例について投与前・投与後4S週後・以wa 8-12週毎のMDCT所見および投与前・投与後4週毎のAFP・PIVK:A-1・血清VEGF濃度の推移を検討した. MDCTはmodified RECIST基準を用いて評価しVEGFはAhrnendらの報告(V-CLIP)により450pg/mLをcutpointとした【結果】症例は平均年齢70歳男性64・女性21例HCV陽性52例・HBV陽性8例・NBNC25例Child A77例・B8例、 VP≧3あり16例遠隔転移あり26例.全症例の生存期間中央値(MST)274日無増悪期間135日内服期間中央値85日であった.治療開始4-6週後MDCT所見PD13例中12例が新病変を伴い累積生存率はPR・SD症例が良好であった(p=0、019)経過中VEGF中央値450pgr(mL以下の症例は累積生存率が有意に良好であった(MST364日p=0.018). VEGF持続上昇例において他治療への変更・Sorafenib増量群は無変更群に比し累積生存率は良好であった. Sorafenib投与開始前AFP上昇例において4-6 Pa MDCT所見PR例ではAFP減少を認めるもSD例ではAFP不変または軽度上昇例が存在した.投与開始前AFP基準範囲内鼠ではAFPの経時的変化と画像所見・臨床経過の関連性は認めなかった. PIVKA-HはSorafenib投与後h昇例が多く経時的評価による治療効果判定は困難であった.【考案1分子標的薬開始4-8週後MDCTのmodified REclsT g準 sD・PR症例は臨床的奏功例であり分子標的薬を継続する意義がある.VEGF濃度持続低値群は治療効果良好である.分子標的薬投与中にVEGF濃度が持続上昇をきたす場合は他治療の追加や治療法変更または分子標的薬減量例では増量が望ましい.
索引用語