セッション情報 |
シンポジウム4
肝細胞癌集学的治療の現況と再発予防
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タイトル |
S4-9 進行肝細胞癌治療における分子標的薬治療の位置づけと問題点
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演者 |
小笠原定久(千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学) |
共同演者 |
金井文彦(千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学), 横須賀收(千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学) |
抄録 |
【目的】当科におけるソラフェニプの治療成績を解析し進行肝細胞治療における分子標的薬治療の位置づけと問題点を考察する.【対象と方法】2009年6月から2011年10月まで当科でソラフェニブを分子標的薬治療の一次治療として導入した73例を対象として臨床病期別に治療効果をレトnスペクティブに検討した.【結果】年齢中央値71歳男/女59/14HBV/HCV8/39Child-Pugh A/B 62/11Stage即Va/IVb 30/10/33観察期間中央値5.6Mであった.脈管侵襲を25例に認め(VPのみ19例VVのみ2例VP+VV 4例)遠隔転移を33例に認めた. VP症例の内訳はVP 2/3/48/7/5であった.RECIST v1.1による抗腫瘍効果はCR/PR/SD/PD/NE O/2/43/24/3全生存期間(OS)は8.3M無増悪期間(TTP)は2.7Mであった.12週間を超えてSD以上を維持した症例は23例であった(肝内病変のみ:16例遠隔転移のみ:5例脈管侵襲のみ二2例遠隔転移+脈管侵襲:0例)Stage別のTTPは皿/IVa/IVb生3M/2.IM/1.5MOSは皿/IVa/IVb 20.1M/6.7M/5.OMであった. Stage IVb症例のうち脈管侵襲をともなう群のTTP 1.1MOS 3.IMであり脈管侵襲をともなわない群のTTp 28MOS 8.3Mと比べ有意に短かった.脈管侵襲が進行するまでの期.間は1.7Mであり門脈腫瘍栓が進行するまでの期間は2.2MであったStage皿症例のうち28例は直前の治療がTACEでありTACE後2.6M(中央値)で画像上TACE不応と判断されソラフェニブが導入された.これらの症例のTACE施行回数(中央値)は2.0回(1-10回)であり初回TACEからの生存期間は49.5Mであった.【結語1ソラフェニブは脈管侵襲を伴う症例での治療効果は限定的であると考えられた.一方で従来TACE後早期に再発するStage HI症例1において有効性が示唆された. |
索引用語 |
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