セッション情報 |
シンポジウム4
肝細胞癌集学的治療の現況と再発予防
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タイトル |
S4-12 再発予防の観点から見た肝細胞癌集学的治療における肝移植の意義
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演者 |
海道利実(京都大学肝胆膵移植外科学) |
共同演者 |
秦浩一郎(京都大学肝胆膵移植外科学), 上本伸二(京都大学肝胆膵移植外科学) |
抄録 |
1昼的】肝細胞癌に対する肝移植は.根治性の観点からは理想的な治療法であるが肝移植の適応やタイミング高い周術期死亡率ドナーの必要性再発後予後不良など課題も多い.そこで特に再発予防の観点から見た肝細胞癌集学的治療における肝移植の意義につき検討した.1【方法1対象は1999年から2011年10月までに当科で肝細胞癌に対し生体肝移植を施行した196例20D6年目では遠隔転移や脈管浸潤がなければ腫瘍径や個数に制限を設けず2007年以降は多変量解析にて得られた3つの再発独立危険因子を全て満たすKyoto基準(最大径5cm以下かつ10ヶ以下かつPIVKA-H400以下)に基づいて移植適応を決定1)全症例の生存率・再発率2)Kyoto基準内外生存率・再発率3)再発有無別生存率4)前治療別生存率・再発率5)腫瘍マーカーと生物学的悪性度6)2002年目での59例と2003年以降の137例における術後早期死亡率(移植後90日以内)7)本邦における肝細胞癌に対する脳死・生体肝移植症例数(2008年末時点)を検討.【結果】1)全症例の1/3/5年生存率は85/73/70%1/3/5年再発率は8/12/14%2)Kyoto基準内外の1/3/5年生存率は各々87/83/82%79/48/41%Kyoto基準内外の1/3∠5年再発率は各々1/3/4%29/49/52%とともにKyoto基準内で;有意に良好(pくO.001).3)再発症例(n=25)の1/3/5年生存率(92/28/14%)は非再発症例(nニ171)の1/3/5年生存率(83/81/80%)に比べ有意に低率(p<O.001).しかし外科的切除や放射線療法著効例に長期生存例あり.4)前治療別で生存率再発率とも有意差を認めず5)PIVKA-Hは。脈管浸潤と低分化の独立危険因子であったがAFPは独立危険因子ではなかった.6)術後早期死亡率は22.0%から3。6%に有意に低下(pくQ.001)7)脳死肝移植6例生体肝移植1027例と肝癌に対する膳死肝移植症例は極めて少数.儲語】肝癌再発予防には生物学的悪性度を考慮した肝移植適応基準の遂守が重要であり前治療の有無に因らない. |
索引用語 |
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