抄録 |
【はじめに1われわれの施設では胆嚢癌診断に胆嚢二重造影および胆嚢胆汁細胞診を積極的に取り入れている.早期胆嚢癌の多くは隆起成分のない平坦な癌であるため粘膜診断が不可欠であるそこでわれわれは胆嚢二重造影および胆嚢胆汁細胞診の正拝覧についてretrospectiveに検討した.【対象と方法】関連2施設において平成17年1月目ら平成22年12月までに胆嚢二重造影および胆嚢胆汁細胞診を施行した272例申胆嚢管癌2例を除外した270例で検討した.そのうち.病理学的に最終診断が可能であった148例および1年間の経過観察にて悪性病変が否定された症例122例を対象とした.尚細胞診は胆嚢内にENGBD留置直後翌日朝二重造影施行前の計3回採取を基本とした。二重造影の方法は130%のバリウムを胆嚢内に注入体位変換にて粘膜にバリウムを付着させ充満像を撮った後にバリウムを吸引しその後炭酸ガスを使用して胆嚢の二重造影を撮影していった.二重造影に伴う偶発症は1例に洗浄不十分による急性胆嚢炎を認めた.また経過観察期聞の約3ヶ月後にバリウムによる急性胆嚢炎を1例に経験したERCP関連偶発症として膵炎15例(軽症11例中等症4例)5.6%胆嚢管穿孔1例と胆嚢管損傷2例を認めたがいずれも保存的に改善した.【結果】270例申胆嚢癌は26例うち早期癌は13例(約50.0%)13例中表頻回早期胆嚢癌は8例であった.二重造影はt感度100%.特異度 M。4%.PPS87%NPV100%正則率は852%であった.また胆嚢胆汁細胞診は不適切検体7例を除いた263例で検討した感度82.6%特異度C9.6%PP95%NPV98.3%.正診率は9&1%であった細胞診陰性で二重造影で診断された胆嚢癌は7例ありその内訳はm癌4例!烈p癌1例ss癌2例であった【考察】胆嚢胆汁細胞診は早期胆嚢癌診断に有効であり胆嚢二重造影は合併症も少なく胆汁細胞診陰性であった早期特に表面型胆嚢癌の診断にも有用である |