セッション情報 シンポジウム5

膵胆道癌の早期診断

タイトル

S5-4 膵胆道癌における高b-value MRI拡散強調画像の診断成績

演者 小川貴央(仙台市医療センター消化器内科)
共同演者 洞口淳(仙台市医療センター消化器内科), 藤田直孝(仙台市医療センター消化器内科)
抄録 【背景】近年MRI拡散強調画像(DWI)が腹部領域にも応用されその有用性の報告が散見されるが膵胆道癌の拾い上げ診断や質的診断に言及した報告は少ない.【目的】膵療および胆嚢癌のDWIによる診断能を明らかにすること.1方渕対象は2005年6月から2011年6月までにDWIを施行後病理組織学的に確定診断が得られた膵癌45例胆嚢癌27例である(平均年齢は膵癌67歳胆嚢癌71歳、男女比は膵癌26:19.胆嚢癌14:13).膵癌及び胆嚢癌のDWI陽性率ADC(apparent dif-fusion. ceefftcient)値について検討した.胆嚢癌については同時期にDWIを施行した良性胆嚢疾患I17例(慢性胆嚢炎67例.胆嚢腺筋腫症44例コレステロールポリープ4例腺腫1例.黄色肉芽腫性胆嚢炎1例)を対照として用い比較検討した.また膵癌のADC値は非今山の膵実質のADC値と比較した. MRI装置は15T EX・CELART Vantage(東芝社製)を使用しDWIはSE-EPI呼吸同期法b-value:1.OOOs/㎜2加鯛数=4回目行い画像の読影は儲㈱蜘らない消化繍専1『医2名がブラインドで行った.【結果】1)膵癌のDWI陽性率は80%(36/45)でTS1症例では78%(7/9)TS2以上の症例では81%(29/36)であった。膵癌の平均ADC値は(1.43±025)×10-3mm2/sで非癌部のADC値(1.88±O.30)×10-3 mm2/sと比較して有意に低値を示した(p〈0.001).2)胆嚢癌のDWI陽性率は81%(22/27)で良性胆嚢疾患の40%(47/117)と比較して有慧に高い結果であった(p<0.001).深達度外にはT1症例で43%(3/7)T2以上では95%(19/20)でありT1症例で有意に低率であった(p二〇.013).平均ADC値は胆嚢癌(1.Ce±O.69)x 10-3mm2/s良性胆嚢疾患(2.60±O:M)x10-3 mm2/sで胆嚢癌で有意に低値を示した(p<O.OOI).【結論】膵癌胆嚢癌に対するDWIの診断能には一定の限界があるがTS1膵癌など比較的小さな病変でも診断可能であったDWIは簡便かつ非侵襲的に施行可能であり今後胆膵癌の早期診断の一助になる可能性が示唆された.
索引用語