セッション情報 シンポジウム5

膵胆道癌の早期診断

タイトル

S5-5 当院におけるStage I膵癌の特徴

演者 宮田剛(近畿大学医学部付属病院消化器内科)
共同演者 北野雅之(近畿大学医学部付属病院消化器内科), 工藤正俊(近畿大学医学部付属病院消化器内科)
抄録 【圓的1膵癌は予後不良な癌腫であり、腫瘍径2cm以下のTSI膵癌においてもStageが進行している症例を経験する.膵癌の予後改善のためにはStage 1で診断することが重要である【対象と方法1当院にてUS造影CT(CE-CT)超音波内視鏡(EUS)および造影EUS(CH-EUS)検査を施行したTS1膵癌30例を対象とした.腹痛背部痛黄疸および糖尿病の悪化を有症状とした.各腫瘍マーカー(CEA. CAI9-9DUPAN-2Span-1Elastase-1)を測定しtいずれかが異常値を認めたものを陽性とした.さらにTS1膵癌の中でもStageJ症例とStage2以上の症例での特徴の違いについて検討した.また各画像検査による存在診断能および質的診断能の比較を行った.1結果】TSI膵癌の発見契機となったUS検査での間接所見は主膵管拡張(47%:14/30)膵嚢胞(20%:6/30)総胆管拡張(20%:6/30)であった.腫瘍マーカー陽性は30例中22例に認め有症状は16例に認めた.全てのTSI膵癌において症状腫瘍マーカ・一USでの問掻所見のいずれかが陽性であった.Stage毎の比較では症状の陽性率は同等であったがStage1症例で腫瘍平均的が小さくUS検査での結節描出率が低い傾向を示した.またt Stage2以上の症例において腫瘍マーカー(特…にCA19-9)が高値であった. TSl膵癌の検出率はUSCE℃TおよびEUSはそれぞれ68%56%および%%であり.Stage1症例ではそれぞれ60%.56%93%であった. EUSはUSおよびCE℃Tと比較して有意に存在診断能が優れておりStage 1症例においてその差は顕著であった.周囲膵実質と比較してhypovascularであったものを通常型膵癌とした場合2cm以下の中小病変においてCE-CTとCH-EUSの感度・特異度:は70%・91%および91%・94%であり、CH-EUSはCE-CTと比べ質的診断能に優れていた.【結語】有症状腫瘍マーカー高値USにて何らかの所見がある場合には積極的にEUSを施行していくことがStageエ膵癌の診断に重要である.また造影による血流評価を加えることによりEUSの質的診断能が向上すると考えられる.
索引用語