セッション情報 シンポジウム5

膵胆道癌の早期診断

タイトル

S5-9 小膵癌診断におけるENPD留置による連続膵液細胞診の有用性

演者 齋宏(広島赤十字・原爆病院消化器内科)
共同演者 古川善也(広島赤十字・原爆病院消化器内科), 花ノ木睦巳(広島赤十字・原爆病院消化器内科)
抄録 【目的1従来膵癌に対する質的診断法としては内視鏡逆行性膵管造影(ERP)t膵液細胞診が主流であった.しかしVi㎞annらが膵癌に対するEUS-FNAの有用性にりいて報告して以降徐々にその立場が逆転しつつ.ある.しかしEUS-FNAの診断は腫瘍の大きさに依存する場合が多く小病変においては診断が困難な場合が多い我々は早期確定診断目的にENPDを留置し3日間連続で細胞診を行っている.今回小膵癌診断に対する連続細胞診の有用性の検討を行った.【方法】2005年5月から2011年9月に当院でENPD留置による膵液細胞診を行い診断確定した231例(男性132例女性102例年齢673±10.4歳通常型膵癌91例IPMC12例その他悪性3例良性125例)を対象とした.細胞診は原則3回行い陽性を検出したも.のを細胞診陽性陽性を除く症例で疑陽性を検出したものを疑陽性全て陰性であったものを陰性とし細胞診の回数別・腫瘍サイズ別のsenshivity・spec逼cityl合併症等の検討を行った.【成績1膵液細胞診における膵癌106例では陽性67例・疑陽性29例・陰性10例でsensitivityは0.63(0、90)(疑陽性以上を陽性と定義した場合を併記).悪性106例の回数別sensitiv-ityは1回目のみが031(O.60)2回目までが0.47(0.82)3回目までが059(0.89)で連続細胞診で有意にsenSitivity向上を認めた(p=0.002).腫蕩サイズ別sen・sitivityはTis・TS125例は0.76(0.92)TS245例1は0、71(0.93)TS316例はO56⑩.81)TS45例は0(O.60>で小膵癌において有意にsenSitiVityが高かった(p=0.01).IPMC12例は陽性7例・疑陽性5例・陰性0例でsenSitiVityはO55(1)。童膵管型10例分枝型2例で上皮内癌は6例であった合併症は膵炎を12例(6.5%)に認めたが全て軽症膵炎であった【結論1ENPD留置による膵液細胞診は繰り返し検査をすることで有意な感度向上を認めた.また小膵癌で有意に高感度であり早期の確定診断方法として有用と考えられた.
索引用語