セッション情報 シンポジウム6

ゲノムワイド検索(GWAS)と消化器疾患 基調講演

タイトル

S6-2 宿主遺伝子情報に基づいたC型慢性肝炎治療の効果・安全性の最適化

演者
共同演者
抄録 1目的】C型慢性肝炎患者の高齢化が問題となっている我が国では治療効果予測だけでなく副作用の事前予測は治療導入に際して重視されるべきである.今回我々は宿主・ウイルス遺伝子情報統合に基づく治療の最適化について検討した.【方法】20()・1年12月より当院および研究協力施設でPEG-IFN!狼BV併用療法を導入し最終効果判定および遺伝子解析可能であったGenotype1(G1)416例Genotype2.(G2)189例を対象に宿主遺伝子(IL28B:rS8099917ITPA:rs1127354)のSNPをTaqMan PCR法で解析しHCV-ISDRコア70/91変異とともに治療効果および副作用との関連を検討した.【結果】経時的HCV陰性化率をIL28BSNP別に比較するとGI-ISDR変異01型とG2bで早期ウイルス陰性化率著効率に有意差をみたがG1-ISDR変異2以上の症例やG2aではH.28B SNPに関係なく治療感受性だった.ITPAに関しては加療後4週でHb値3(g/d1)以上低下した症例はG1:CC47%/CA+AA8%(p=1.2×10ト8)G2:CC39%/CA+AA6%〈p=L7 x 10-4)でともにITPA変異群で有意に低下した.一方加療後4週でPit値3(x104/pl)以上低下した症例はGI;CC27%/CA+AA63%(p=27×10-7)G2:CC30%/CA+AA71%(p=1.4×10⇔4)でありITPA-SNP別のHbとPlt低下は逆相関をみた.治療前Plt値の層別解析ではPlt〈13/13-18/>18(x 104/iti)における著効率はGlではCC35/36/58%CA + AA32/45/81%であり治療前血小板数が保たれている症例では有意にITPA変異症例で著効率高値であった(p=O.ca).【結語1宿主遺伝子情報は治療効果予測に加え血球減少の副作用予測も可能でありプロテアーゼ阻害剤併用治療においても応用が期待される.宿主・ウイルス遺伝子情報を組み合わせることでより詳細な治療効果予測が可能となり症例ごとの治療最適化が可能になると思われる.
索引用語