抄録 |
旧的1同じC型慢性肝炎患者であっても肝細胞癌(HCC)を発症する症例としない症例が存在する.その個々の症例の違いを規定し得るような遺伝子多型の同定を目的にゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った【方法】虎の門病院札幌厚生病院広島大学病院と関連病院(広島肝臓Study Group)の日本人C型慢性肝炎患者3312人を対象とした.HCV関連HCCの好発年齢を考慮し、 55歳以上を条件とした。 GWASではHCCを発症した212人と発症していない765人についてMumina社製DNAチップを用いて約47万個の一塩基多型(SNP)を調べ両群間のアレル頻度に有意差があるかどうかを評価した.さらにHCCを発症した710人と発症していない1625人について追試研究を行った.【結果】GWASの結果第22染色体上に存在するDEPDC5のイントロンのSNP(rs1012068)がHCCの発症と有意に閲連していた(P=8.05×10’オッズ比2.2月置.この関連は追試研究でも再現性が確認された(P=2.41x1びオッズ比1.63).これらの結果をメタ解析するとP=127x10’i3オッズ比1.75となった.またHCC発症リスクが高いとされる男性高齢血小板低値といった要因を含めた多変量解析においてDEPD(M遺伝子多型が独立したリスク要因くオッズ比1.96)であることが示された.興味深いことに層別解析では男性65歳以上血小板数10万/Pt未満といった従来HCC発症リスクが高いとされる症例においてDEPDC5遺伝子多型のオッズ比が高くなる傾向が認められた.機能性SNP探索のため両隣砂の遺伝子((溜b雌0Y阻4H)を含めたゲノム領域の高密度ダイビングとDEPDO5の全42エクソンのresequenceを行ったがrslO12068よりも強い関連を示す叉はこれ.とリンクするエクソン上のSNPは同定されなかった.【結論】今回のGWASによゆこれまで肝疾患との関連が全く知られていなかった機能未知の遺伝子DEPD(】5の遺伝子多型がHCV関連HCCの発症と強く関連することが明らかになった. |