抄録 |
[目的]非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症・進展につきtwohit theoryが提唱されてきたが近年GWASでの検討からNAFLD/NASHの発症・進展に遣伝的素因も関与していることが明らかになった.しかしアジア人でのGWASの検討はなされていない.我々は日本人の単純性脂肪肝(SS)とNASH症例の二品的背景を明らかにするためゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った.[対象と方法]厚労省NASH研究班に所属する施設で肝生検にてNAFLDと診断した529例(SSユ76例NASH 361例)をMat・teoni分類に従い分類し(type 1:100type2:73type 3:29type 4:327例)932例のコントロールとともにIlluminaHuman 61CFQuad Bead ChipでGWASを施行した.血液生化学検査HOMA-IR高感度CRPleptinadi・ponectinなども検討した.[結果]22q13染色体上のPNPLA3 loctusの7SNIPmarkersがNAFLD関連感受性遣伝子であることが判明し特にrs738409はMatteoni type 4と他の3typeのNAFLDとの間に顕著な差(p=4、8×10-6OR=1.96)を認めた.サブ解析でrs738409はtype 4とコントロール間に顕著な差(p=L7×10-16OR=2.18)を認めたがtype12のみならずNASHに分類されているtype 3とコントロールの閲に有意差を認めなかった.またrs738409のSNPはピアルロン酸HbAユ。鉄蓄積との関連を認めた.[感謝GWASによる検討からMatteoni分類のtype 4のNASHは単純性脂肪のみな.らずtype 3のNASHとも遺伝的に異なる性格を有するNASHであることが判明しこの結果は予測や治療面での検討に重要と思われる.またPNPLA3のrs738409はピアルロ酸HbAlc鉄蓄積との関連を有する結果を得たがその意義については今後さらなる検討が必要と思われる. |