セッション情報 シンポジウム6

ゲノムワイド検索(GWAS)と消化器疾患 基調講演

タイトル

S6-8 ゲノムワイド関連解析による膵癌発症関連遺伝子およびジェムシタビン副作用関連遺伝子の同定

演者
共同演者
抄録 【目的】膵癌の遺伝的要因についての報告は限られてきたが今回ゲノム全体にわたり遺伝子多型(SNP)を解析することで膵癌発症と関連する遣伝的領域を同定し更にジェムシタビンによる副作用と関連するSNPを同定することを目的とした.【方法】バイオバンクジャパン(BBJ)及び国立がん研究センターで集積された膵癌1006例とBBJ及び慶懸義塾大学で集積された非膵癌5311例を用いてGenome-wide ass㏄iation study(GWAS)を行った.またBBJ札幌医大和歌山医大呉共済病院で集積されたジェムシタビンによる骨髄抑制を認めた21例(case)及び副作用陰性58例(control)を用1いてGWASを行い33例のcaseおよび62例のcontrolを用いてReplicationStudyを行った.【成績】膵癌のGWASによりそれぞれ6p2512pll7q36に存在するFOXQ1BICD1DPP6遺伝子上に有意な関連を示すSNPを同定した(P ・= 3.3-4.4 × 10-7オッズ比1.29-3.73).またジェムシタビン治療例のGWASにより9q212q12lp313q29に存在する4つのSNPが骨髄抑制と強い関連をもつことが示唆された(P=1.27 x10t-5.98×10“5tオッズ比2.eO-S4.OO).各症例をこの4SNPの副作用リスクgenotypeの数に応じて4群に分類したところ2つ以上のリスクgenotypeを持つ症例では有意に骨髄抑制リスクが高まることが示された(trend P = 1.31 × IO’i4).【結論1 GWASにより膵癌の発症と有意な関連を示す3つの遺伝領域及びジェムシタビンによる骨髄抑制と関連する4SNPが同定された.
索引用語