セッション情報 |
シンポジウム6
ゲノムワイド検索(GWAS)と消化器疾患 基調講演
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タイトル |
S6-11 DNAマイクロアレイを用いたdocetaxel+cisplatin+S-1併用化学療法の治療効果に関連する遺伝子の探索
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演者 |
北村晋志(徳島大学病院消化器1内科) |
共同演者 |
井本佳孝(徳島大学病院消化器1内科), 高山哲治(徳島大学病院消化器1内科) |
抄録 |
【目的1我々はこれまで切除不能進行胃癌を対象にdocetaxel+cisplatin+S-1併用療法(DCS療法)の第1相試験(Br J Cancer2CO7)及び∬相試験(CancerChemother Pha㎜aco12009)を行いT高い奏効率とdown stage率が得られることを報告した.しかし少なからず非奏効例も存在する.DCS療法はS-1CDDPドセタキセルという作用機序の異なる3つの薬剤を組み合わせたレジメンでありその非奏効例においてはそれぞれの薬剤の耐性に共通して関与する遺伝子が存在することも考えられるt本研究では治療前の生検組織を用いてDNAマイクロアレイにて網羅的な遺伝子発現解析を行うことにより本療法の治療効果に関連する遺伝子をゲノムワイドに探索し検討した.【方法f一次治療としてDCS療法を施行した進行胃癌19症例(著効群11例非著効群8例)を対象とした.治療前の生検組織よりmicrodissectionにより癌細胞または正常腺管のみを採取し、RNAを拙出した後cDNAを作製したCy3で標識した後41.000個の遺伝子を含むヒト全ゲノムDNAマイクロアレイとhybridizationを行った.【成績】著効群と非著効群の2群間において癌部(T)と非癌部(N)の比(T/N)に有意差のある29個の遺伝子をt検定により抽出した.これらの中には新しいSer/Thrkinase細胞増殖関連遣伝子アポトーシス関連因子転写関連因子などが含まれていたこれらの遺伝子を用いてleave-onetut cross-vahdation法により著効群及び非著効群の効果予測を行ったところ100%(19/19)予測することが可能であったまたこれらの遣伝子の中には生存期聞との聞に有意な相関をもつ遺伝子も存在し個々の遣伝子について胃癌培養細胞にsiRNAを導入し各薬剤との耐性について検討をおこなっており発表では文献的考察も含めて報告する.【結語1進行胃癌患者の生検親出からDNAマイクロアレイを用いてゲノムワイドに遣伝子発現を調べることによりDCS療法の治療効果と関連する遺伝子を同定した. |
索引用語 |
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