セッション情報 シンポジウム7

地域から発信する消化器診療

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S7-4 ESDにおける重篤な偶発症の検討(阪大ESD study Groupでの多施設検討)

演者
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抄録 【背景・目的】消化管癌に対するESDは多くの施設で普及しその安全性について穿孔・出血などの面からは概ね許容範囲内とされている.しかし実臨床でイベントと考えられるより重篤な偶発症については頻度が極めて少ない上表面化されづらい一面があり報告は殆どない.このような重症化症例の検討には膨大な症例集積が必要な一方施設も匿名化できる.多施設検:討が適しており今回市中病院を中心とした大阪大学関連施設(阪大ESD study group)でのESDにおける.集中管理緊急手術例の頻度とその要因を検討した.【対象】阪大ESD study groupにおける2001年11月から2011年5月に施行された胃大腸食道ESD例を対象とし臓器別に症例数(中断数も含めて)の他集中管理(ICU入室)緊急手術例をretrospectiveに集計した.【結果】臓器別のESD例数は胃3949大腸451食道261で.中断数は各々35(0.9%)10(2.2%)2(0.7%)で大腸では胃に比べ有意に中断率が高かった(P<0.01).各イベントの頻度は集中管理例が05-1.5%緊急手術例が0-1.1%でこれらの原因は胃で穿孔(遅発例含む)・出血・呼吸器障害.大腸で穿孔(遅発例含む)食道では穿孔・呼吸器障害であった.重症化例ではこれらの偶発症に加え腎不全や肺気腫などの基礎疾患を持つものが多かった.【結論】ESDに伴う重篤な偶発症は稀ではあるものの一定頻度で認められた.主因として穿孔出血呼吸器疾患で重篤な基礎疾患のある患者では偶発症が起こった場合に重症化しやすくtこれらの予防t対策には基礎疾患など十分な術前評価の上チーム医療のもとに周術期管理を行なうことが重要と考えられた。
索引用語