セッション情報 |
シンポジウム8
臓器線維化(肝・膵を中心)研究・診療の最前線
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タイトル |
S8-6 抗酸化作用を有するCa拮抗薬アゼルニジピンの肝線維化抑制効果とそのメカニズム―臨床応用の可能性
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演者 |
大山達也(群馬大学病態制御内科学) |
共同演者 |
佐藤賢(群馬大学病態制御内科学), 森昌朋(群馬大学病態制御内科学) |
抄録 |
【背景・i目的】酸化ストレスは肝線維化に中心的な役割を果たし活性化星細胞からの活性酸素種(ROS)の産生にL型Caチャンネルの関与も示唆されるそのプロッカーであるアゼルニジピン(AZ)は心筋細胞などに対する抗酸化作用も有するためAZの肝線維化に対する効果を複数のモデルを用いて検討・検証した.【方法】in・Vitroではヒト不死化肝星細胞株(LX-2)による肝星細胞への効果in Vivoでは四塩化炭素(CCL4)チオアセトアミドの肝線維化マウスモデルを用い薬剤同時投与による肝線維化抑制及び肝線維化完成モデルの改善促進肝線維化抑制メカニズムを解析した.1結果】AZのしX-2におけるCaチャンネルブロック効果を確認した上でAZはTGF一β1またはAng H刺激によるLX-2の1型coll’agen発現細胞内ROS上昇GSH濃度減少を抑制したが他のCa拮抗薬では認められなかったAZはTGF弔1刺激によるLX-2において。酸化ストレスと密接に関係のあるp38とJNK:のリン酸化を抑制した.2種の肝線維化モデルでは共に適切な薬理学的濃度のAZによって肝臓の線維化や炎症及び肝星細胞の発現が有意に抑制されDNA酸化損傷マーカーと脂質過酸化マーカーの肝臓での発現を有意に抑制した.また.CCL投与マウスでAZによる酸化ストレス軽減が抗酸化酵素発現低下の柳制であることを突きとめた.またCCL投与で完成した肝線維化モデルに対しAZの投与によって線維化改善促進が認められた.AZによる肝臓のCYP2E1やCYP2Bsの発現への影響は見られなかった. i【結論】適切な薬理学的濃度によるCa拮抗薬の肝線維化抑制効果は動物モデルでは確立されていない今回の研究で安全性も確立し広く臨床応用されているAZを用い複数モデルによる肝線維化抑制効果が検証されたことは注目に値する.臨床応用も視野に入れた検討を考慮すべきと考える. |
索引用語 |
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