セッション情報 シンポジウム8

臓器線維化(肝・膵を中心)研究・診療の最前線

タイトル

S8-9 Trasient Elastographyによる非侵襲的な肝線維化評価法の有用性と課題

演者 斎藤聡(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 池田健次(虎の門病院肝臓センター), 熊田博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的1肝線維化はその延長線上に肝細胞癌がみられ非侵襲的な肝線維化評価法は重要である.今回Trasient Elastography(TE)による線維化評価の有用性について検討した.1対象と方法】対象は各種慢性肝疾1290症例・脂肪肝105例・正常肝95例。年齢は24~89歳(申央値58歳)男女比890:600。TEは右脚問より10圓測定め申央値を採用肋間位置を変えて2カ所より測定.組織学的検討は肝生検・肝切除.正常肝・肝硬変・脂肪肝は臨床診断としウィルス別・皮下組織厚・肝細胞癌合併・測定部位誤差との関連を検討ALT高値例・黄疸例・NASH症例・皮下組織厚3c伍以上例は除外、【成績】11.正常肝・脂肪肝:それぞれ皮下組織厚a)2.0㎝以下95%・85%b)2.Ocm超5%・15%.年齢や男女差なく肝硬度(平均±SDkPa)はそれぞれ35±O.5・42±2.3で脂肪肝では皮下組織厚b)5.3±2ム測定部位誤差は皮下組織厚はそれぞれa)5%・6%b)11%・16%.2.慢性肝炎・肝硬変:肝硬度はそれぞれ5.5±3.5・18.5±1α3非代償性肝硬変では21.3±1a5.測定部位誤差は皮下組織厚はそれぞれa)8%・11%b)15%・21%.慢性肝炎と肝硬変の鑑別のAUROCは0.94。3. B型・C型肺肝硬度1肝硬変の肝硬度はそれぞれ12.1±6.6・20.1±132測定部位誤差はそれぞれ8%・18%で線維化と部位誤差に違いがみられた。4肝細胞癌合併:全体では18.5±12.OB型13.4±5.6C型212±18.5.10kPa以上がB型96%・C型67%でありC型では10kPa以下はインターフェロン治療後のSVR症例のみであった.一方B型では10kPa以下に慢性肝炎が25%みられた.1結論】TEは皮下組織厚に影響を受けるが肝脂肪化には影響がみられなかった.肝硬変の鑑別は良好であった.B型・C型肝硬変では線維化の違い反映し肝硬度が異なりB型は低く部位差も大きかった.肝癌発生は10kPa以上でみられC型では肝癌スクリーニング検査にTEによる危険群・高危険群の再乱塾分けが必要と思われた.
索引用語