セッション情報 シンポジウム8

臓器線維化(肝・膵を中心)研究・診療の最前線

タイトル

S8-10 超音波エラストグラフィーによる非アルコール性脂肪性肝炎診断

演者 矢田典久(近畿大学医学部消化器内科)
共同演者 萩原智(近畿大学医学部消化器内科), 工藤正俊(近畿大学医学部消化器内科)
抄録 【はじめに】我々はこれまでRea1-time Tissue Elastography(以下RTE)およびFibr(》Scan(以下FS)によるC型慢性肝炎を中心としたびまん性肝疾患の線維化診断について発表を行ってきた[12]非アルコール性脂肪性肝炎(以下NASH)は肝硬変や肝癌へ進展する可能性のある病態であるが近年患者数が増加しており非アルコール性肝障害(以下NAFLD)からNASHの絞り込みが重要である. NASHの診断には肝生検を必要とするが非侵襲的診断方法の確立が望まれている.【目的】そこで肝生検組織診断と超音波エラストグラフィー診断結果とを比較検討しNASHの診断が可能かどうか検討した【方法】2010年8月から2011年8月の聞、当院で肝生検診断を行ったNAFLD患者66症例を対象とした.肝生検当日にFSおよびRTEを行いその結果と肝生検組織診断(Bruntの分類)とを比較した.【結果】FSは4例で測定不能であった一方RTE Iは全例施行可能であったFSの測定値LiverSt迂㎞ess Measureme皿t(LSM)はstagingやgradingの増加に伴い上昇する傾向はあるものの有意な相関関係は認めなかったt一方RTEはLiver Elasticity Score[3]を用いて評価したところfstage 3以上はpositive predictive vaiue IIOO%nega・tive predictive vatue 71.4%accuracy 782%で診断可能であったがgradingとの相関関係は認めなかった.皮下脂肪の厚い症例ではペネトレーション不足のために観察困難であった。【結藷】RTEはNASHの診断に非常に有効な非侵襲的検査ツールである一方FSはstagingの診断には不向きであるがgradingの影響を強く反映するため病勢の把握に利用できる可能性があると思われた.【文劇1. Tatsumi CKudo MYada Net al:Intervirology 2010;53:76-81.2. Tatsumi CKudo M et al : lntervirology 2008 ; 51 (suppl 1) : 27-33.3Fuji’rnoto Ket al : Medix Suppi 2007 ; gm-27
索引用語