セッション情報 |
シンポジウム9
疾患モデル動物を用いた消化器病研究の最前線
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タイトル |
S9-7 単鎖脂肪酸レセプター(GPR43)を介した腸炎制御メカニズム
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演者 |
増井竜太(愛知医科大学消化器内科) |
共同演者 |
佐々木誠人(愛知医科大学消化器内科), 春日井邦夫(愛知医科大学消化器内科) |
抄録 |
腸管免疫はToll-like receptors(TLRs)などを介した抗原に対する反応と.それを制御する反応との均衡状態にある.短鎖脂肪酸が潰瘍性大腸炎の治療に有効性があることから食物繊維から腸内細菌により産生される短鎖脂肪酸が.腸管免疫を.制御していることが示唆される.近年主に白血球に発現している短鎖脂肪酸の受容体(GPR43)の欠損が腸炎を増悪する事実が示された(Maslowski KMNature 2009)が一定の見解は得られていない(Sina CJ lmmunology 2009).【目的】GPR43ノックアウト(k/o)マウスを用いて単鎖脂肪酸が腸炎を制御するメカニズムにつ.き検討した.【方法】PR43k/oマウスなら.びにその野生型(wild)マウスにDSS腸炎を惹起し腸炎の程度ならびにサイトカイン量を比較検討した.さらにGPR43k/oマウスならびにwildマウスを用いT酢酸がDSS腸炎に与える影響を比較検討した【結果】DSS投与によりGPR43k/oマウスはw且dマウスに比べ有意な体重減少disease activity index(DAI)増加腸管長の短縮組織学的炎症の増悪ヘマトクリット低下がみられ腸炎の増悪をみとめた.DAIは酢酸(150血M)の経口投与によりWildマウスでは抑制されたがGPR43k/oマウスでは効果がみられなかったGPR43k/oマウスではWild Vウスに比べ腸管におけるTNF一αIL-17の発現が充射していたがIL-10には差を認めなかった. GPR43k/oマウスに酢.酸を投与した場合には腸管サイトカイン発現はwildマウスと同程度でありwildマウスに酢酸を投与した場合ではit-10が上昇していた.【結論】1短慮脂肪酸(酢酸)はGPR43を介してTh1/Th2バランスを制御し腸炎をコントロールしている可能性が考えられた. |
索引用語 |
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