抄録 |
【目的】乳用:量アスピリン(LDA)やクロピドグレル(CLO)などの抗血小板薬はt脳循環器疾患の治療や薬物溶出性ステント挿入後に使用されその使用頻度が増している.最近LDAは食道粘膜傷害を惹起する可能性が示唆されているがCLOの影響は定かではない.今回我々は抗血小板薬による食道粘膜傷害メカニズムを解明する目的で行われた.【方法】GERDに関連した自覚症状がなく食道粘膜傷害がない健常者25名を対象とし(1)LDA100mg(2)LDA+CLO75mg(3)RPZIOmg+LDA(4)RPZ+LDA+CLOの4種の投薬レジメンで試験を行った.各薬剤を7日間投与し第3日目と7日目に上部消化管内視鏡と抗血小板凝集能検査を7日目に24時間食道胃内pHモニタリ.ング試験を行った【成績】LDA内服によη25講中13症例(52%)で食道粘膜傷害を認めた.CLOとLDAの併用時には60%に発赤以上の食道粘膜傷害を認めたが併用による相加効果は認めなかった.食:道粘膜傷害は胃内pHの上昇に従って発生頻度や重症度は減少したLDAを含めたレジメンにて無傷害:群の胃内pHは4.3発赤群で2.0びらん群1.9と食道粘膜傷害を来す例の胃内pHは非傷害群よりも低くLDA起因性の傷害発症に胃酸分泌が関与している可能性が考えられた.しかし抗血小板薬投与時の食道粘膜傷害の発症と食道pHとの問に明らかな相関は認めなかった【結論】対象が若年者にもかかわらず短期聞のLDAで約半数で食道粘膜傷害を認めた.CLOは出血リスクを増し頻度は低いものの胃粘膜傷害を来す薬剤であることが示されるがLDAの食道粘膜傷害の重症度や頻度に檀加効果は示さなかった.ただし俳用時には相加的に消化管出血のリスクが増すため予防法を示す必要があるが今回の検討でPPI常用量にて粘膜傷害発症を予防できることを証明した.今回の検討ではLDA起因性食道粘膜傷害は食道内pHと明らかな相関を認めず異常酸逆流は同程度であった。 |