セッション情報 |
パネルディスカッション1
薬剤性消化管障害(NSAIDs抗癌剤ビスホスホネートPPI抗菌薬他)
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タイトル |
PD1-3 NSAIDs低用量アスピリンによる上部消化管傷害の現状―消化性潰瘍診療ガイドライン刊行の影響―
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演者 |
竹中龍太(津山中央病院内科) |
共同演者 |
竹本浩二(津山中央病院内科), 藤木茂篤(津山中央病院内科) |
抄録 |
【目的】高齢化社会を迎え非ステロイド消炎薬(NSA皿)s)あるいは低用量アスピリン(LDA)服用患者が増加しているこれらの薬剤には消化管傷害が共通した副作用として認められ.消化管出血や消化管潰蕩のリスクが上昇する.2009年本学会により「消化性潰蕩診療ガイドライン」が編集されNSAIDs/LDAによる消化管傷害の予防に関するステートメントが発表された.実地診療が本ガイドライン刊行によりいかなる影響をうけたかを検討した.【方法12005年4月一2006年3月(Before Guideline:BG群)2010年4月1-2011年3月(After GUideline:AG群)にNSAIDsあるいはLDAを1ヶ月以上服用した患者を院内データベースから抽出し患者背景抗潰翻1服用状況を調査した.またこの期間内に上部消化管内視鏡検査を施行した症例を対象としてLanzaスコア胃十二指腸潰瘍の頻度出血性胃十二指腸潰瘍の頻度を比較した.【結果】BG群913例AG群1181例が抽出された.年齢の中央値はBG群69歳AG群72歳性別(男性/女性)はBG群(528/385)AG群(557/624)でAG群はBG群に比べて高齢で女性の占める割合が高かった.PPI服用患者はBG群93例(10.2%)t AG群376例(31.8%)H2RA服用患者はBG群230例(25.2%)AG群106例(9.0%)でありAG群ではPPI服用患者が有意に多くなっていた調査期間内に内視鏡検査を施行した患者はBG群163例AG群206例で全体に占める割合に差は認めなかった(17.4%vs. 179%).Lanzaスコアの平均値±標準偏差はBG群1.0±1訊AG群O.M±L4であった.胃十二指腸潰蕩の頻度はBG群17例(10.4%〉AG群8例(3.9%)出血性胃十二指腸潰癌の頻度はBG群7例(4.3%)AG群1例(O.49%)といずれもAG群で有意に低かった.【結論】ガイドライン刊行後は消化管傷害予防目的にPPIの選択される機会が増加しており胃十二指腸潰瘍特に出血性胃十二指腸潰瘍の頻度が低下した一因と考えられた. |
索引用語 |
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