セッション情報 パネルディスカッション1

薬剤性消化管障害(NSAIDs抗癌剤ビスホスホネートPPI抗菌薬他)

タイトル

PD1-7 PPI起因性Collagenous colitis症例の検討

演者
共同演者
抄録 【緒言】Coiagenous colitis(CC)の発症の原因は未だ不明であり本邦では欧米に比してPPIに起因すると考えられる症例が多いとされるが その原因は不明であり欧米でのCCと本都でのCC.はその臨床的特徴が異なる可能性が考えられる. ・[対象】当院および関連施設佐久総合病院胃腸科JR大阪鉄道病院消化器内科において診断されたCC症例56例について服用薬剤t内視鏡像等について検討を行った.【結果】1平均年齢67歳t男女比は22対34.56日中44例(7&6%)がPPIを服用していた.pPI服用例44例の内訳はLansoprazole(LPZ)40例Rabeprazole(RPZ)3例Omeprazole(OPZ)1例であった. LPZ服用例40例中28例(7α0%)がCYP3A4で代謝される薬剤を併用していた.その内訳はカルシウム拮抗薬23例が最も多く次いで睡眠導入剤抗不安薬6例、NSAn)(Meloxicam)5例抗菌薬(Clarithr{》MyCin)1例であった(重複あり)またNSAH)sを併用している症例はPPI服用例44例申26例(59.1%)であった.26例中13例(50D%)がLow dose aspihnを服用していた.LPZ起因性CC症例に特徴駒とされる縦走潰瘍はLPZ起因性CC症例40例中12例(30.O%)に認められた.12例中6例はNSAIDsも服用していた.縦走潰瘍の発症部位はS状結腸8例下行結腸2例横行結腸2例で左半結腸に多い傾向が認められた.ほとんどの症例でPPIを中止するのみで症状が改善していた.【考察1LPZは主に薬物代謝酵素 CYP2C19; CYP3A4で代謝される.本邦ではCYP2C19のpoor metabolizerが約20%存在するとされ欧米に比して多い.今回の検討ではLPZ起因性CC症例の70.0%にCYP3A4で代謝される薬剤の併用が認められLPZの代謝阻害によりCCが発症している可能性が考えられる.【結語】PPI起因性CCが本邦で多い要因の一つとして薬物代謝酵素CYP2C19の遣伝子多型によるLPZの代謝異常が推測される.一方でPPIによるCC発症の詳細な機序については未だ不明な点であり更に検討が必要である.
索引用語