セッション情報 パネルディスカッション1

薬剤性消化管障害(NSAIDs抗癌剤ビスホスホネートPPI抗菌薬他)

タイトル

PD1-11 特発性腸間膜静脈硬化症の原因物質と臨床経過の検討

演者
共同演者
抄録 特発性腸間膜静脈硬化症(以下IMP)は腸間膜静脈硬化症に起因した還流障害による慢性虚血性大腸病変である.その原因について近年漢方薬との関連が注目されている.今回我々は自験例および本邦報告例における漢方薬内服との関連および発症後の経過について検討した【対象と方法】対象は1985年から2008年に当院でIMPと診断された14症例および講中誌で検封できた本邦報告93症例を対象に検討した【結果】検討1.漢方薬内服の詳細:自験例では13例中12例(92.3%)報告例では内服薬の記載のある24例中19例(82.6%)において長期間の漢方薬内服歴を認めた平均内服期間は自験例で165年(7-40年).報告例で1L4年(5-19年)内服漢方薬の詳細を検討できた症例は自験例で8例であり.その内訳はサンシシ5例オウゴン3例ブクリョウ3例であった.報告例では8例においてサンシシ8例カンゾウ6飢オウゴン5例1ブクリョウ5例であった.検討2.自験例における臨床経過二自験例14例の平均年齢は63.5歳男女比は5:9主訴は腹痛を6例下痢2例便秘2例腹部不快感1例.便潜血陽性2例T検診目的1例であった.罹病部位は盲腸11例上行結腸14例横行結腸114例下行結腸4例S状結腸2例直腸1例であり右側結腸を中心に病変を認めた.治療は症状進行により手術に至った症例は3例であった.他の11例は保存的加療で以後症状の増悪を認めていない漢方薬の内服期間や内容は臨床的および画像上の重症度と相関はなかった.【考察】IMP症例の大部分は漢方薬の長期内服者であることから漢方薬長期服用がMP発症の一因と考えられた.なかでもサンシシを含む漢方薬が高率に服用されている.しかし重症度と内服歴に直接の相関はなく他の要因を考慮する必要がある.手術例は再発がなく保存的加療症例も増悪がないことからIMPは比較的予後良好な疾患であると考えられた.
索引用語