セッション情報 |
パネルディスカッション1
薬剤性消化管障害(NSAIDs抗癌剤ビスホスホネートPPI抗菌薬他)
|
タイトル |
PD1-13 大腸ポリープと降圧薬との関連についての検討
|
演者 |
渡邊義敬(東京大学医学部附属病院消化器内科) |
共同演者 |
山地裕(東京大学医学部附属病院消化器内科), 小池和彦(東京大学医学部附属病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】大腸ポリープ1に対してはNSAIDs低用量アスピリンの抑制効果がよく知られている.一方降圧薬をはじめとするメタボリック症候群関連疾患に対する薬剤を常用する患者が増加しているがこれらの薬剤と大腸ポリープとの関連については一部で腫瘍発生との関連を示唆する報告がみられるものの不明な点が多い.大腸ポリープと常用薬との関係について検討を行った.【方法12007年から2010年に当科にて生涯で初めて大腸内視鏡検査を行った1499名を対象とした.NSAIDs低用量アスピリン降圧薬抗高脂血症薬.抗糖尿病薬の内服と大膿ポリープとの関連について検討した.【結果1全患者中700名(47%)に大腸ポリープが認められた.各薬剤内服者:における大腸ポリープの有病率はNSAIDs:427%(29/68)低用量アスピリンニ58.2%(103/177)降圧薬:60.1%(345/569)抗高脂血症薬:M.O%(162/300)抗糖尿病薬:563%(143/254)であり単変量解析によるオッズ比はNSAIDs:O.M(95%CI O。5H.37)低用量アスピリン:1.69(95%CI 123-232)降圧薬; 2.51(95%CI・2.03-3.’rZ)t抗高脂血症薬:1.45(95%CI U2-1.87)抗糖尿病薬:1.62(95%C工123-2.13)でありNSAH)sにおいて大腸ポリープに対する抑制傾向がみられたがその他の薬剤については内服者の方が大腸ポリープのリスクが高かった.その他のリスク要因を補正するため年齢性別腹囲喫煙歴飲酒歴家族歴を含めた多変量解析を行った.結果オッズ比はNSAIDs:083(95%CI O.48-LCO)低用量アスピリン:O.82(95%CI O.56-1.19).降圧薬:1.62(95%CI 1.24-2.11p=00004)抗高脂血症薬:O.90(95%CI O.67-122)抗糖尿病薬:O.92(95%CI O.67-125)とNSAmsと低用量アスピリンについて有意差は得られなかったが抑制効果が示唆された一方で降圧蘂が年齢.腹囲.喫煙歴飲酒歴とともに有意な大腸ポリープの危険因子であることが示された【結論】降圧薬は大腸ポリープの独立した危険因子である可能性が示唆された. |
索引用語 |
|