セッション情報 パネルディスカッション2

生物学的製剤時代におけるIBDに対する治療戦略

タイトル

PD2-2 抗体製剤使用炎症性腸疾患患者における血中濃度測定と中和抗体測定の意義

演者 藤井俊光(東京医科歯科大学消化器内科)
共同演者 長沼誠(東京医科歯科大学消化器内科), 渡辺守(東京医科歯科大学消化器内科)
抄録 【目的】Infliximab(IFLX)などの分子生物製剤は炎症性腸疾患(IBD)にとって重要な治療の一つとなっている.しかし40%近くの症例で効果減弱といった二次無効をみとめ闘題となっている.こういつた二次無効例に対して投与期間短縮や増量他の抗TNF製剤他の治療法へ切り替えて対応しているのが現状である.近年IFX血中濃度とIFXの中和抗体と考えられているan価body to inflixi皿ab(ATI(HACA))の産生が二次無効などIFXの効果に影響している可能性が示唆されている.また血中濃度とATI産生の有無が二次無効例に対する治療選択の指標となる可能性も報告されている.我々は本邦IBD患者IFX投与例におけるIFX血中濃度およびATI陽性率の現状と二次無効との関連性を解析しまた免疫調節薬CIM)併用嚇がこれら翻する即した.臨床試織㎜0 ㎜5611醐当院および関連施設へ通院中で同意の得られたIFX導入後14週以降の維持投与中のIBD50例(クローン病42例潰蕩性大腸炎8例)に対し. rFX血中トラフ濃度およびATIを測定しIFX二次無効(IFXの増量・短縮を要するまたは投与8週で有症状)との関連性および皿併用〈IM併用25例非併用25例)の影響を検討した.【結果1寛解維持例ではIFX濃度5.56pgy(mlだったのに対し二次無効例ではIFX2.63μg/mlと低値であったまたATI陽性例は6例で全例二次無効であった(:二次無効の24%).IFX>1.0μ4mlの症例では61.8%が寛解維持されていたのに対しIFX〈1.0μg/1沁では26.3%にとどまったそしてIM併用群はIFX 5.56μg/m 1と非併用群2.31μg/mlに対し高値であったがATI産生率はともに12%で二次無効も併用群52%非併用群48%と差をみとめなかった.【結論】IFX血中トラフ濃:度を高値に維持する事が寛解維持に重要である可能性がありATI産生は二次無効と関連があることが示唆された.またtIM併用によってIFX血中濃度は上昇したがAT工産生率に差はなく二次無効にも影響しない可能性が示唆された.
索引用語