セッション情報 パネルディスカッション2

生物学的製剤時代におけるIBDに対する治療戦略

タイトル

PD2-3 クローン病におけるInfliximab増量(10mg/kg)投与の有効性の検討

演者 吉村直樹(社会保険中央総合病院内科・炎症性腸疾患センター)
共同演者 酒匂美奈子(社会保険中央総合病院内科・炎症性腸疾患センター), 高添正和(社会保険中央総合病院内科・炎症性腸疾患センター)
抄録 【目的】生物学的製剤In且iXimab(IFX)の登場で活動期クローン病(CD)患者の寛解導入率維持率は向上したが一方で維持療法中の二次無効症例(効果減弱例)が問題となりその対策が急務である.効果減弱例に対しては投与間隔の期間短縮フルボトルによる増量などが効を奏したが当院でもその約半数で再度の効果減弱を認めてお.り新たに保険認可されたIFXIOm9∠kgの増量:投与の効果が期待される.今回IFXを増量投与したCD症例の治療成績.を検証し有効性と安全性について検討した.【方法】2011年8月以降にIFXを増量(10mg/kg)投与したCD症例43例(平均年齢:30.〔}土77歳:平均罹病期間:8.8±5.6年;平均IFX投与期間:3.1±1.8年)を対象としt増量目的別の有効性につき増量前と増量後のIX投与5-8週後のCRPCDAIを評価して検証した.【成績】43例の内訳はa)IFX 一次無効症例2例b)IFXで効果減弱を認めAdah皿umab(ADA)にスイッチして寛解導入できたが」再度効果減弱を認めた症例2例c)IFX8週間隔投与で効果減弱している症例8例d)5-6週間隔に期間短縮しているが効果減弱を認めている症例19例e)期間短縮して安定しているが8週間隔へのリセット目的12例であった.a>群2例はいずれも小腸切除既往のある小腸型であるが2例中1例がb)群は2例ともCDAI<150となり増量効果を認めたe)群においても評価可能な3例はいずれも有効であり8週間隔投与に戻せた.c)d》群で評価可能な17例中13例(765%)がCDAI〈150となり。増量前の平均CRPは1.M±152→(投与5-8週後)1.67±1.57の変化であったが増量後は1.89±L49→(投与5-8週後)α98±0、83まで低下平均CDAIは増量前190.3±30.5→167.2±35.4の変化が増量後は196.6±37.4→12S1±32.4まで低下した(p<0.Ol).また増量による副作用の発現は認めなかった【結論】IFX増量(10mg/kg)投与は従来法(5mg/kg)にて一次無効二次無効を認めるCD症例の長期予後の改善に寄与する有用で安全な治療戦略に成り得ると考えられた.
索引用語