セッション情報 |
パネルディスカッション2
生物学的製剤時代におけるIBDに対する治療戦略
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タイトル |
PD2-7 当科におけるクローン病に対するアダリムマブの治療成績
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演者 |
矢野豊(福岡大学筑紫病院消化器内科) |
共同演者 |
平井郁仁(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松井敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科) |
抄録 |
【背景】本邦においても2010年10月よりクローン病(CD)に対して完全ヒト型抗TNFα抗体であるアダリムマブ(ADA)の投与が可能になったが多数例での治療成績や安全性に関しての報告はまだ少ない【目的】CDに対するADAの短期~中期の治療成績および安全性について知ること.【対象と方法】2010年10月より2011年9月までCDに対してADAを投与した45例について検討した.対象の背景は性別(男:女)26:19ADA投与時年齢35(歳)±ll(12~62)罹病期間15(年)±10(02~36)袖型:小腸型4例(9%):大腸型6例(13%):小腸大腸型35例(78%)であった.インフリキシマブ(IFX)からのスイッチ例は26例58%.(うち二次無効21例不耐5例)であった.以上の症例に対しADAを導入し投与4週t 8週24週後のCDAIを算出し寛解率を評価しさらにIFXの投与歴の有無等の臨床背景別にも評価したまた安全性は24週後までに報告された有害事象について評価した【結果1ストーマ症例10例を除くCDAI算出可能例35例についてADA投与前の平均CDAI値は2394週で115(p〈0。05)8週128(pく0.05)24週では129(P〈0.05)であり投与前と比較しCDAI値は有意に減少した. ADA投与後の寛解率はそれぞれ4週77%8週64%24週54%であったまた寛解率をIFXの投与歴の有無で比較したが有意差を認めなかった有害事象に関しては浮腫6例(13%)が最も多く次いで穿刺部発赤5例を(11%)に認めた24週までにADAを中止したのは4例(9%)でうち一次無効が3例自己中止が1例あったが中止が必要な重篤な副作用は認めなかった.またIFX不耐’例に対しても安全に投与することが可能であった.【結論】ADA療法は約3/4の症例が寛解導入され半数以上の症例が寛解維持されかつ安全に投与することができたしかもIFXの投与歴の有無すなわちIFXスイッチBioナイーブにかかわらず効果があった.ADAはCDに対し有効な治療法の一つである既存の治療法とCD個々の病勢を考慮し使用していくことが望まれる. |
索引用語 |
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