抄録 |
日本消化器病学会ではEvidence-Based Medicine(EBM)の手法に則って胃食道逆流症(GERD)t消化性潰瘍クローン病肝硬変胆石症慢性膵炎の6疾患のガイドラインが作成された.各疾患のガイドライン委員会は作成委員会と評価委員会からなりPeer Review方式によって作成された原案を客観的に評価しブラッシュアップをしているしそしてガイドラインの作成前には認識を共有し統一性を保つため委員会が開催され文献検索と文猷採用基準クリニカルクエスチョン(CQ)ステートメント推奨グレード(recommendation)基準文献のエビデンスレベル解説の設定などの基本的な枠組みが合意された.消化器病学会総会・大会で中間報告・最終報告案を提示して学会員から意見を聴取して細部を修正し最終案を学会ホームページに掲載して広くパブリックコメントを求め再修正したものを完成版としガイドラインが出版された.NASH・NAFLDのガイドライン委員会は坪内博仁理事を責任者として渡辺純夫作成委員長と11人の作成委員西原利治評価委員長と4人の評価委員から構成されこれまでのガイドラインに準じて作成の予定である.NAFLDは我が国成人の30%から40%が罹患している高頻度の疾患である.一般臨床医にも基本的な診療ができるためのエビデンスを基盤にしたガイドラインとなることを目指している.読みやすいガイドラインとするためにアルゴリズムを随所に入れ簡潔に解説したい.そしてこれまでの消化器病学会のガイドラインと同様に最適な臨床判断を医師が行う場合の手助けとなることを意図し患者に一律に適用するものではない.現在までにNASH・NAFLDの疫学病態診断治療予後を大項目とし各委員の分担を決定し30問のクリニカルクエスチョン(CQ)をそれぞれの項目で作成し全体の構成を検討しクリニカルクエスチョン(CQ)を100に減らしt文献検索を進めている.これらに対するステーFメント解説をエビデンスレベルの高い文献データベースに基づき作成する予定である. |