抄録 |
【GRADEとは1Grades of RecommendationAssessmentDevelopment and Evaluation(GRADE)systemは2004年GRADE working groupによってBMJに初めて報告されたエビデンス評価や推奨グレーディングシステムである.【背景】1970年代以来世界中の多くの組織が多様なエビデンス分類・推奨度評価方法を用いてきた。特にRCT全てが万能であるといった迷信や臨床状況を全く反映せずエビデンスレベルがそのまま推奨度とされるガイドラインも少なくなかった.【特徴】1.エビデンス評価と推奨文・推奨度設定は独立して検討する.2.エビデンスとしてシステマティック・レビューを重視する.3.エビデンスは研究デザインのみでなく設定や内容も吟味する.4.推奨はエビデンス患者の価値観費用対効果利益と害の4項目で決定する.【具体的な概要】1.設定された臨床質問に対してのエビデンス全体の統合結果は可能な限りシステマティック・レビューを重視する.2.エビデンスのレベル評価はグレードA“高い”B“中等”C“低い”D“非常に低い”に分類する.RCTは高エビデンスとして評価が始まるが質評価によって中等以下に評価される可能性がある.一方観察的な研究非ランダム化コホート研究ケースコントロール研究は低エビデンスとして評価が始まるが大きな効果がある場合は中等以上にレベルアップ評価される可能性もある.3。推奨の強さをグレード1“高(強)”グレード2“低(弱)”と分類する.また行う推奨と行わない推奨があり計4方向性となる.推奨度を決める要素はエビデンスの質の高さ患者の価値観や好み利益がコストや資源に見合ったものかどうか利益と害のバランスの4項目である.以上のような方法により具体的には1A(推奨度高エビデンスレベル高)~2D(推奨旧離エビデンスのレベル非常に低)までが各推奨文に記載される. |