抄録 |
過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:H3S)の研究は国際的に長足の進歩を遂げ新薬の開発も盛んである.日本消化器病学会では菅野健太郎理事長渡辺守担当理事木下芳一機能性消化管障害疾患責任理事の提唱により機能性消化管障害の中でも機能性ディスペプシア(FD)ならびにBSを取り上げその診断治療ガイドラインを作成することになった.IBSガイドライン作成委員会は私を含めて12名のメンバーで構成されまた評価委員5名とオブザーバー1名がこれらの作業の進行結果を監視評価することとなっている.現在までに合議により決まった作成方針は次の通りである.冒頭ではIBSの概念に関するclini’eal question(CQ)を掲載する.その概念については臨床的に広い範囲を許容する.但し定義については国際的に共通性・汎用性がありrandomized controned tria1(RCT)やメタアナリシスなど主要なエビデンスのデータのもとになっているRome:皿基準に沿う方向性とすることを確認した.本ガイドラインの読者対象が一般臨床医であることを考慮し専門性の高いCQと一般臨床医向けCQを均衡させる.CQに対するステートメントは国内と海外のエビデンスの異同を言及できるものは言及して作成する.治療薬については国内で使用される標準的なものを網羅し保険適用外でも根拠のあるものについては言及する.FDと相互関連するCQについてはプラセポ効果とFD/BS重複の結果何が起こるかを重視している.現在診療を左右する重要なCQを62個設定しおのおの3-10個程度のkey wordを選定して文献検索に入るところである.わが国に適合した鵬の診断治療ガイドラインの必要度は高くその完成に向けて委員一同努力している. |