抄録 |
大腸ポリープに対して現在主に用いられている内視鏡的治療法は。高周波を用いたホットバイオプシースネアポリペクトミー内視鏡的粘膜切除術(EMR)内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などである.各治療手技法には適応と安全に施行するための手技がある.ホットバイオプシー:5mm以下の小さな隆起性病変が適応.癌が疑われる場合は5mm以下でも他の手技を選択する.スネアポリペクトミー:基部が20mm以内の隆起型の病変が適応.EMR:表面型腫瘍側方発育型腫瘍皇基性腫瘍カルチノイド腫瘍などが適応.病変の基部に生理食塩水ムコアップなどを注入し病変を挙上させた後tスネアを掛け通電し切除.一括切除は220mm程度まで。腺腫や粘膜内癌であれば分割切除(EPMR)も容認される.ESD:現在先進医療として限られた施設での施行が許されている.適応は一括切除困難な病変粘膜下層に繊維化を伴う粘膜内病変潰瘍性大腸炎などの慢性炎症を背景としたsporadicな局在腫瘍内視鏡的切除後の局所遣残早期癌など.各手技には出血や穿孔といった偶発症が発生するのでその対処法や止血手技の習得も重要である.また予防として抗凝固剤や抗血栓薬の休薬入院か外来施行かの簡題.治療後の目常生活の制限などの注意が必要となる.大腸癌の治療ガイドラインでは大腸早期癌で内視鏡的治療の適応は粘膜内癌(M癌)とSM軽度浸潤癌とされ摘除後の病理組織診断で断端陽性粘膜筋板より1000yn以上脈管浸潤陽性低分化型癌budding(grade2以上)の項目が1つ以上あれば追加腸切除を考慮するとされている.またポリープや早期癌の治療後はサーベイランスも必要となりその方法や間隔施行期間などの問題点もある.以上のようなポリープの内視鏡的治療に関する種々の問題点を整理し診療ガイドライン作成に向けてのdiscussionを行いたい. |