セッション情報 パネルディスカッション6

未分化型早期胃癌に対する内視鏡的切除の限界

タイトル

PD6-2 未分化型粘膜癌の臨床病理学的解析と内視鏡治療成績

演者
共同演者
抄録 【背景・目的1当院では他施設の報告の他に自暴で外科手術が行われた早期胃癌症例の病理解析結果を参考に内視鏡治療適応を決定してきた.術前内視鏡観察で大きさ1cm以下かつ潰瘍倉併がないと考えられた未分化型粘膜癌を内視鏡治療適応としてきた.未分化型粘膜癌の臨床病理解析結果と内視鏡治療成績を報告する.【方法1病理解析対象はリンパ節郭清を伴う外科手術が行われた単発の未分化型粘膜癌例359例を病理台帳から抽出.年齢性別占居部位病理学的腫瘍径肉眼型潰蕩合併率リンパ管侵襲率分化型成分の有無とリンパ節転移に関して統計処理を行った.また病理台帳から抽出した内視鏡治療単独23例の術後経過を追跡した【結果】未分化型粘膜癌全体でのリンパ節転移率は2.5%(9/359例)であり転移例の平均と最小腫蕩経はそれぞれ5.4cm2cm、9華中8例に潰瘍合併が認められた.未分化優位混在型57例中転移例は5例(8.8%)で純粋未分化型に比べて高い転移率であった.転移の.有無と各種臨床病理学的因子の解析では分化型成分の混在が転移の独立危険因子であった.潰瘍のみられない純粋未分化型粘膜癌95例中転移は1例(15cm径)のみであり径2cm未満に限定すれば局所治療も可能と考えられた.検討数が少ないために同意が得られかつ術前内視鏡で1cm以下の場合に限り純粋未分化型粘膜癌を内視鏡治療の対象としていた.内視鏡治療単独23例中上記基準をみたしたのは11例でありt術後平均観察期間50ヶ月で再発は認められていない12例は他疾患合併などの姑息的治療例であり平均観察期間36ヶ月で他病死が4例みられたが再発は認められていない【結論1潰瘍の合併しない純粋未分化型粘膜癌のリンパ節転移率は比較的低率でありサイズ制限を設ければ局所治療も許容されると考えられる.ただし未分化型癌の診断(早期発見や潰瘍の判定)は難しいため内視鏡で救済可能な症例は少数にとどまると考えられる.
索引用語