セッション情報 パネルディスカッション6

未分化型早期胃癌に対する内視鏡的切除の限界

タイトル

PD6-3 未分化型早期胃癌に対する内視鏡治療における術前診断の限界と対策

演者 竹内洋司(大阪府立成人病センター消化管内科)
共同演者 上堂文也(大阪府立成人病センター消化管内科), 飯石浩康(大阪府立成人病センター消化管内科)
抄録 【背景】当院では内視鏡的粘膜下層剥離術〈ESD)による早期胃癌に対する内視鏡治療適応拡大の第H相試験を計画しmB承認の上2cm以下の潰瘍性変化を伴わない未分化型粘膜内癌も対象病変のひとつとしてESDを行なってきた【目的】未分化型早期胃癌に対する内視鏡治療の成績からその術前診断の限界と対策を検討する【方法12003年1月以後2cm以下の潰蕩性病変を伴わない未分化型粘膜内癌と術前診断された病変を対象に書面での同意を得てESDを行ったESD後病理診断で一括断端陰性切除かつ術前診断基準に合致するものの予後を調査している.【結果12011年7月までに67症例.67病巣(年齢中央値65.歳範囲38-82歳男女比39:27>に対1してESDを行った.一括切除割合は97%(M/66)であっ・たまた側方断端陰性割合は92%(61!66>深部断端陰性割合は95%(63〆66)であった.一括切除かつ側方及び深部断端陰性の完全切除割合は91%(60fas)で症例を前後期で比較すると前期の82%1に対し後期は100%であった{p=0.02)さらにESD後の病理診断で術前の診断基準を満たした症例の割合は61%(40!66)であり興研切除割合(ガイドライン治癒切除もしくは適応拡大治癒切除症例の割含)は73%(48/66)であった.治癒切除割合を前後期で比較すると前期の61%に対し後期は85%と改善傾向がみられた(p=0.05).なお側方断端陽性症例の平均切除切片径は3.7cmで、陰性症例では4.3cmであった.【考察】明らかな要因は言及できないが後期における治癒切除割合の改善は慎重な症例選択などの術前診断能の向上を反映したものでありさらにESDの習熟曲線も加わって完全一括切除割合が改善したと思われるまた側方断疑陽性となった症例で平均切除径が小さい傾向がみられ十分な安全域をもった広めの切除範囲の決定が側方断滞陰性切除につながる可能性がある.【与謝未分化型早期胃がんに対する内視鏡治療における術前診断には限界があるがより慎重な症例の選択と十分な安全域を伴った切除範囲.の決定によづて許容できる治療成績が得られる.
索引用語