セッション情報 パネルディスカッション6

未分化型早期胃癌に対する内視鏡的切除の限界

タイトル

PD6-4 未分化型早期胃癌に対する術前診断能の検討

演者 早稲田洋平(石川県立中央病院消化器内科)
共同演者 竹村健一(石川県立中央病院消化器内科), 土山寿志(石川県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的1近年2cm以下UL(一〉脈管侵襲陰性の未分化型粘膜内癌に対するさらなるESDの適応拡大が議論されつつある.今回未分化型早期胃癌に対する術前診断能について検討した.【方法1対象は2007年1月~2011年9月に2cm以下U】L(一)未分化型粘膜内癌と術前診断し外科手術もしくは相対的適応としてESDが行われた44例(外科手術29例ESD15例)とした.その側方範囲及び深達度診断能を検討し同時期の術前診断2cm以下UL(一)分化型粘膜内癌441例(以下分化型)とも比較した.範囲診断は白色光NBI拡大インジゴカルミン散布(以下色素)にて行った.深達度診断は内視鏡所見のみで行いpM〆SMIの鑑別は診断限界と考えpSM2を誤診とした.【結果】肉眼型はO-llc30例O-P[b14例であった.白色光単独での範囲診断正診率の68.2%よりNBI拡大+色素は79.5%と高かったが有意差は認めなかった(p=O.17)分化型におけるNBI拡大による範囲診断正診率は97.5%であり.未分化型において有意に低下していた(p<Q.01)NBI拡大+色素における側方範囲診断誤診の要因としては腫瘍径21mm以上(p=O.07)病変が萎縮領域や萎縮境界域に存在する場合(p=008)に正診率の低下傾向を認めた未分化型の深達度診断正診率は90.9%(pM 38例pSMI 2例pSM24例)であり分化型9. 6:6%と比較し.[E診率の低下傾向を認めた(p=O.07).深達度診断誤診例は4例中3例において浸潤形式がINFcであった.未分化型の脈管侵襲は9.1%に認めたがいずれもpSMの症例であ吻それらを含む外科手術施行の29例においてリンパ節転移は認めなかった.分化型では脈管侵襲は3.2%に認め未分化型にて多い傾向を認めた(p=O.07).術後病理にてUL(+)であった未分化型は68周半あり.いずれも0-IIcに認めた(p<O.Ol)分化型では52%がUL(+)であり有意差を認めなかった(p=O.74).【結謝現時点では未分化型胃癌に対する内視鏡的側方範囲診断深達度診断Uしおよび脈管侵襲の有無の診断には限界があると考えられた.以上の診断能の向上が今後の課題である.
索引用語