セッション情報 パネルディスカッション6

未分化型早期胃癌に対する内視鏡的切除の限界

タイトル

PD6-7 未分化型早期胃癌に対するESD及び手術症例の治療成績についての検討

演者 藤田勲生(福山医療センター消化器内科)
共同演者 豊川達也(福山医療センター消化器内科), 友田純(福山医療センター消化器内科)
抄録 (目的)未分化型早期胃癌に対するESD及び手術症例の治療成績や病理組織学的特徴を中心に検討し未分化型早期胃癌に対する治療法を明らかにする.(方法)2002年から2010年の問に福山医療センター香川県立中央病院三豊総合病院の3施設でt未分化型早期胃癌に対してESDを施行した35症例と.福山医療センターで手術を施行した63症例の治療成績について検討した.(成績)未分化型早期胃癌に対するESD症例は平均腫瘍径13.3mmで潰瘍合併例は3例であったリンパ管侵襲は1例も無く30例(85.7%)で局所完全切除されていた.平均観察期間は794日であり局所完全切除例の1例に局所再発を認めた.また未分化型早期胃癌に対してESDを行った35例とガイドライン病変に行ったESD症例467例を比較すると腫瘍径切除時間非完全切除例偶発症の有無に有意差は認めなかった.手術症例の検討ではm癌は28例sm癌は35例であった. m癌では潰瘍合併例でリンパ管侵襲を1例認めたがリンパ節転移.はなくsm癌では17例にリンパ管侵襲を認め4例にリンパ節転移を認めた手術症例での平均観察風聞は1377日であり術後再発は認めなかった.m癌とsm癌を比較検討すると腫瘍径に有意差は認めなかったがs皿癌のほうがm癌に比べて潰瘍合併例が有意に多く脈管侵襲も有意に多くなっていた.次に今回対象の未分化型早期胃癌98例におけるリンパ管侵襲関連因子を単変量解析すると.腫瘍径2cm以上深達度潰瘍合併が有意に寄与していた.それらについての多変量解析では腫蕩径2cm以上[oddS ratio(OR):10.4795%CJ.:1.19~91.95]と深達度[OR:22.8895%CJ.:2.66~196.M〕が有意な危険因子であった.(結語)未分化型粘膜内癌に対するESDはガイドライン病変と同様に安全に施行されていたリンパ管侵襲の危険因子が明らかとなり2em未満の未分化型粘膜内癌に対するESDは容認されると思われた
索引用語