セッション情報 ワークショップ1

栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割

タイトル

W1-2 性差が末梢グレリン分泌に与える影響―老化マウスにおける検討―

演者
共同演者
抄録 [目的】グレリンはラットの胃から単離同定されたGHSR内因性リガンドであり強力なorexigenic作用をもつホルモンであることがよく知られている.末梢グレリン濃度は雌雄で異なる動態を示すことは知られているが老化した雌雄における変化について検討した報告はない.今回我々は老化マウスの末梢グレリン分泌に関する雌雄の差を検討し.そのメカニズムを解析した.【方法】79-80週(advanced age mice)および6週(youngmice)のC57BL/6Jマウスを用いて試験を行った老齢および若齢両脚のマウスについて絶食および摂食時に。血液視床下部および胃体部を採取しグレリン濃度摂食関連遣伝子の発現等について検討を行った【成側雄性マウスの6時間遡上量は老齢群で低下していたもののt雌性マウスでは若齢群との間に差は認められなかった。老齢雄性マウスでは空腹時において若齢で見られる血漿アシルグレリンレベルの増大が観察されなかった.これに反して老齢雌性マウスでは.若齢マウスと比較し空腹時ならびに摂食時どちらも高い血漿アシルグレリンレペルを示した.胃におけるpreproグレリン遺伝子は雄・雌ともに老齢で有意に発現が増加しt胃のグレリンアシル化酵素(MBOAT4)遺伝子の発現は増加傾向であった.視床下部の摂食充進系物質であるNPY/AGRP遺伝子発現は雄性では加齢により有意に減少していたが雌性マウスでは若齢と比較してむしろ増加傾向でありさらにPOMC遺伝子発現は有意に.減少していた.【結論】雄性マウスは。雌性と比較して加齢の過程の早期に摂食量の低下を引き起こす一方雌性マウスにおける摂食量の維持には空腹摂食に依存しない血漿アシルグレリンの過剰な分泌が関与しているかもしれない.
索引用語