セッション情報 ワークショップ1

栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割

タイトル

W1-4 パーキンソン病患者に対するSTN-DBS(視床下核深部脳刺激法)が体重変化およびグレリンへ及ぼす影響

演者 新井英二(千葉大学医学部大学院腫瘍内科学)
共同演者 新井誠人(千葉大学医学部大学院腫瘍内科学), 横須賀收(千葉大学医学部大学院腫瘍内科学)
抄録 【背景】パーキンソン病患者ではしばしば体重の減少を認める.またパーキンソン病患者の体重減少例では血中グレリン値が即値であったとの報告もある視床下核深部脳刺激聰くSTN-DBS)はパーキンソン病に対し有効とされ.さらに食事摂取量の増加及び体重増加をもたらす事が報告されている.しかし血中グレリン値との関連については十分な検討はなされていない.【目的1パーキンソン病患者におけるSTN-DBS前後での空腹時血中グレリン値と体重変化の関連性を検討した.1方法1STN-DBS施行前でのし-dopa内服下非内服下施行3ヶ月後での刺激下非刺激下での早朝空腹時の血申グレリン値を測定し体重:の変化との関連について検討したtまた血中グレリン値とパーキンソン病のmotor score内服量(L-dopa換算)の変化についても検討した.【結果】平均年齢は63.9±7.1歳男性7例女性8例.パーキンソン病motorscoreレdopa内服量(換算)は施行前後で有意な改善減少を認めた(p〈0.01)。STN-DBS後の体重は増加が8例変化なしが5例軽度減少が2例で有意に増加していた(p〈O.Ol).空腹時血中グレリン値はSTN一・DBS施行前での非内服下内服下施行3ヶ月後での刺激下および非刺激下でそれぞれ16.7±13.9134±11.815.1±10.613.0±ll.4 imol/mlでありそれぞれ有意差を認めなかった(p>O.05).5%以上の体重増加を有意とし体重増加群と非増加群に分別しその背景(年齢性別罹病機関内服量グレリン値)を比較検討したが背景に有意な差は認めなかった(p<001)。【結論】STN-DBS施行3カ月後の検討では体重増加例を多くみとめた.しかし増加群非増加群ともにSTN-DBS施行前及び刺激下非刺激下において血中グレリン値は有意な変化を認めなかった.STN-DBSによる食欲充進体重増加はグレリン以外の作用機序が考えられたが今後より長期間での検討が必要である.
索引用語