セッション情報 ワークショップ1

栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割

タイトル

W1-6 消化管内容物中のアミノ酸によるインクレチンの分泌制御

演者
共同演者
抄録 【目的】L-monosodium glutamate(MSG)はうま味調味料として一般に使用されるアミノ酸化合物で内外分泌や消化管運動に影響を及ぼす物質である.以前我々はMSGが高たんぱく液状食の胃排出を促進することを報告した(Am J ClinNutr 2009).今回脂肪含有流動食に添加されたMSGが食後の糖代謝(インクレチンを含む)胃排出に与える影響について検討した.【方法】健常人男性(n=1325.5±3.6歳)を対象とし400ml(520 kca1:うち脂肪100 kcal)の液状試験食を用い13C呼気試験(Breath ID system)による胃排出測定を2回行い1回にはMSG(2g0.5%wtんQDをもう1回はNaCIを添加した.血糖インスリングルカゴンを試験食摂取後240分までglucagon Uke peptide-1(GLP-1)91u-cose-dependent insUlinotropic polypeptide(GIP)を摂取後120分まで経時的に測定した.【結果】試験食摂取後MSG添加時にはインスリン濃度のピークが有意に早くなった(p<0.05)。また血糖は摂取後30分45分にMSG添加時に低い傾向を示した(p〈0.05.p=0.08).摂取後240分までのインスリン総分泌量(areaunder the curve)に有意差は認めなかった。グルカゴンは食事摂取により抑制されるがMSG添加時には早期に回復しベースラインに戻り食後120分ではMSG添加時に有意に高値となっていた(p<0.01).GIPはMSG添加の有無による変化は認められなかったがGLP-1ケ月SG添加時には食後早期に高く徐々に低下していくのに比べNaC1添加時には徐々に増加していた.胃排出や食後の腹部感覚にはMSG添加による変化は見られなかった【結論】MSGは脂肪含有流動食摂取時にインスリンの総分泌量を変えることなく分泌のピークを早めグルカゴンの抑制を早期に回復させる作用があるこれらは胃排出を介したものではなくGLP-1の分泌様式の変化が一因となっている可能性が示唆された.
索引用語