セッション情報 ワークショップ1

栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割

タイトル

W1-8 Duodeno-jejunal bypassの糖代謝改善効果におけるGLP-1PYYの役割

演者 井本博文(東北大学病院胃腸外科)
共同演者 柴田近(東北大学病院胃腸外科), 内藤剛(東北大学病院胃腸外科)
抄録 【背景1糖代謝異常等を手術で改善する試みはmetabolic surgeryと称されその術式の一つであるduodeno-jej皿al bypass(DJB)は十二指腸の空置回腸への膵液・胆汁流入の2つの要素を含む術式でその糖代謝改善効果に関連した消化管ホルモンでは主にglucagon-likepeptide-1(GLP-1)peptide YY(PYY)の上昇が起こることが報告されている.【目的】肥満自然発症糖尿病ラットを用いDJBの糖代謝改善効果とGLP-1PYYの役割につき検討することを目的とした.【方法】雄性のOtsUka Long Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットを用いDJB群sham群の2群に分けた.術前術後4・8週に経ロブドウ糖試験(OGTT)及び体重測定を行い術後10週に犠死させ採血を行った.またGLP-1とPYYの糖代謝改善への影響を検討するためDJBを施行した別個体の同ラットを用い生食投与群GLP-1拮抗剤投与群.PYY拮抗剤投与群の3群に分け衛後89週にOGTTを行い比較検討した.【結果】体重・経口摂取量・栄養状態では差を認めなかった.術後8週のOGTTで血糖値インスリン分泌パターンの改善がDJB群で認められた.術後10週の採血ではDJB群でGLP-1PYYが高値であった.空腹時血糖及びインスリンはDJB群で有意に低値となりインスリン抵抗性の指標となるHOMA-IRはDJB群で有意に低下した.また拮抗剤を用いた検討ではGLP-1拮抗剤投与群の30分値で有意な血糖値の上昇を認めたが他の2群では投与前後で差を認めなかった.【結語】DJBには主にインスリン抵抗性改善を基盤とした糖代謝改善効果がありtこれにはGLP-1の分泌尤進が関与していることPYYは直接関与していないことが示唆された
索引用語