セッション情報 ワークショップ2

大腸憩室の諸問題と解決法

タイトル

W2-1 大腸内視鏡からみたわが国の大腸憩室症の経年変化について

演者 岡本真(JR東京総合病院消化器内科)
共同演者 大前知也(JR東京総合病院消化器内科)
抄録 【背景】わが国の大腸憩室症は増加していると言われるしかしその経年変化をみた報告は注腸造影による1990年代までのものが多く最近の内視鏡によるものは少ない.そこで過去と最近の大腸内視鏡症例を対象に大腸憩室症がどのように変化しているか検討した.【対象1当施設で同一術者による内視鏡施行症例を対象とした.全大腸観察不能前処置不良術後大腸炎症性腸疾患などは除外した.時期は前期(2000年7月から2002年12月)s後期(2007年6月目ら2010年12月)とした.【結果1(1)対象症例は前期818例(男性583女性235平均60歳)後期1356例(男性1014女性343平均59歳)であった.(2)全体での憩室症の頻度:前期34.6%(283/818)後期412%(558/1356)で有意に増加していたくp<0.01).(3)男女別にみた頻度:男性は前期39.6%(231/583)後期43.7%(443/1014)で有意な増加はなかった.女性は前期22.1%(52/235)後期33.5%(115/343)と有意に増加していた(pくO.Ol).(4)年齢階層別にみた頻度:前期vs.後期として比較すると男性は39歳以下0%vs. 11.7%40~54歳328%vs40.6%.55~69歳45.3%vs. a6.6%70歳以上43.0%vs.51.0%であり39歳以下を除き10%以下の増加にとどまっていた.女性は39歳以下0%vs. 6.3%40~54歳13.5%vs. 25.0%55~69歳20.5%vs.30.6%70歳以上34.1%vs43.7%であり40歳以上で10%以上増加していた.また後期では男女とも39歳以下の若年での憩室症が認められた.(5)憩室症の分布:前期は右側型66.8%両側型20.1%左側型13.1%であるのに対して後期はそれぞれM.2%27、8%8.1%であり両側型が増加していた(p<O.Ol)【まとめ1わが国の大腸憩室症は全体に増加しているが特に女性や若年者に増えている.食生活の欧米化特に食物繊維の不足が発症の要因とされるがその影響はまず中高年男性に現札最近では女性や若年者にも現れていると考えられた.
索引用語